高松市議会 > 2019-09-10 >
09月10日-03号

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  1. 高松市議会 2019-09-10
    09月10日-03号


    取得元: 高松市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-09-22
    令和 元年第4回( 9月)定例会          ┌────────────────┐          │     令和元年9月     │          │第4回高松市議会(定例会)会議録│          │    9月10日(火曜日)    │          └────────────────┘     午前10時1分 開議 出席議員 40名  1番 杉 本 勝 利  2番 白 石 義 人  3番 小比賀 勝 博  4番 大 浦 澄 子  5番 山 下   誠  6番 大 見 昌 弘  7番 西 岡 章 夫  8番 鎌 田 基 志  9番 斉 藤   修  10番 坂 下 且 人  11番 井 上 孝 志  12番 中 村 順 一  13番 辻   正 彦  14番 橋 本 浩 之  15番 十 川 信 孝  16番 岡 下 勝 彦  17番 住 谷 篤 志  18番 田 井 久留美  19番 神 内 茂 樹  20番 三 笠 輝 彦  21番 北 谷 悌 邦  22番 大 西   智  23番 佐 藤 好 邦  24番 妻 鹿 常 男  25番 天 雲 千恵美  26番 中 西 俊 介  27番 藤 原 正 雄  28番 香 川 洋 二  29番 中 村 秀 三  30番 造 田 正 彦  31番 中 村 伸 一  32番 竹 内 俊 彦  33番 富 野 和 憲  34番 植 田 真 紀  35番 春 田 敬 司  36番 大 山 高 子  37番 太 田 安由美  38番 藤 沢 やよい  39番 岡 田 まなみ  40番 吉 峰 幸 夫  ──────────────── 欠席議員 なし  ──────────────── 議会事務局出席者  事務局長     多 田 雄 治  事務局次長議事課長事務取扱           西 川 宏 行  総務調査課長   山 上 浩 平  議事課長補佐   十 河 知 史  議事係長     野 口 勝 弘  議事課主査    田 中 勝 博  ──────────────── 説明のため会議に出席した者  市長       大 西 秀 人  副市長      加 藤 昭 彦  副市長      田 村 真 一  教育長      藤 本 泰 雄  市民政策局長   佐々木 和 也  総務局長     片 山 智 規  財政局長     溝 尾 彰 人  健康福祉局長   上 枝 直 樹  環境局長     森 田 素 子  創造都市推進局長 長 井 一 喜  都市整備局長   木 村 重 之  消防局長     辻 本 哲 彦  病院局長     山 田 国 司  教育局長     赤 松 雅 子  市民政策局次長事務取扱           佐 藤 扶司子  総務局次長    小 澤 孝 洋  財政局次長    外 村 稔 哉  健康福祉局次長  河 野 佳 代  環境局次長    宮 崎 正 義  創造都市推進局次長事務取扱           多 田 安 寛  都市整備局次長事務取扱           森 田 大 介  消防局次長    福 山 和 男  病院局次長    坂 東 則 幸  教育局次長    石 原 徳 二  秘書課長     松 本 竜太朗  総務課長     大 村   武  財政課長事務取扱 楠   康 弘  ──────────────── 議事日程 第3号日程第1 議案第139号から認定第3号まで 議案第139号 令和元年度高松市一般会計補正予算(第2号) 議案第140号 令和元年度高松市卸売市場事業特別会計補正予算(第1号) 議案第141号 高松市印鑑条例の一部改正について 議案第142号 高松市職員退職手当支給条例等の一部改正について 議案第143号 高松市社会福祉審議会条例の一部改正について 議案第144号 高松市災害弔慰金の支給等に関する条例の一部改正について 議案第145号 高松市医療費助成条例の一部改正について 議案第146号 高松市特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業の運営に関する基準を定める条例の一部改正について 議案第147号 高松市幼保連携型認定こども園条例の一部改正について 議案第148号 高松市子どものための教育・保育給付に係る利用者負担額を定める条例の一部改正について 議案第149号 高松市病院局企業職員の給与の種類及び基準に関する条例の一部改正について 議案第150号 高松市持続可能な水環境の形成に関する条例及び高松市環境審議会条例の一部改正について 議案第151号 高松市建築基準法施行条例の一部改正について 議案第152号 高松市建築関係手数料条例の一部改正について 議案第153号 高松市特定用途制限地域内における建築物等の制限に関する条例の一部改正について 議案第154号 高松市地区計画の区域内における建築物の制限等に関する条例の一部改正について 議案第155号 高松市消防団条例の一部改正について 議案第156号 工事請負契約について(太田コミュニティセンター改築工事:株式会社香西工務店) 議案第157号 工事請負契約について(高松市東消防署山田出張所改築工事:株式会社植原建設) 議案第158号 字の区域の変更について(三谷町) 議案第159号 路線の認定について(多肥上町62号線ほか) 認定第1号 平成30年度高松市一般会計・特別会計歳入歳出決算について 認定第2号 平成30年度高松市病院事業会計決算について 認定第3号 平成30年度高松市下水道事業会計決算について(質疑〈各会派代表質問〉・質疑)  ──────────────── 本日の会議に付した事件日程第1 議案第139号から認定第3号まで  ──────────────── ○議長(小比賀勝博君) これより本日の会議を開きます。 本日の議事日程は、お手元に配付してあるとおりであります。  ─────~~~~~────── △日程第1 議案第139号から認定第3号まで ○議長(小比賀勝博君) 日程第1議案第139号から認定第3号までを一括議題といたします。 昨日に引き続き、代表質問を行います。 まず、30番議員の発言を許します。30番 造田正彦君。  〔30番(造田正彦君)登壇〕 ◆30番(造田正彦君) おはようございます。市民フォーラム21の造田正彦です。 議長のお許しをいただきまして、市民フォーラム21を代表して質問をいたします。 最初に、農業についてお伺いをします。 項目1、高松市農業振興計画について。 今、日本の農業は、食料自給率の低下、担い手不足と高齢化、耕作放棄地の拡大、農業地に一般家庭が住む混住化などといった経済や社会の変化によって、農業と農村、そして、農家の営農や生活が大きく変わっています。 本市においても、兼業化や経営規模の縮小が進み、全国と比べて零細な経営となっており、農業を取り巻く環境は、大きく変化しています。そのような中、本市農業の現状と課題を踏まえた、農業振興の目標・基本方針を明確にし、その実現に向け取り組むため、平成28年3月に、令和5年までの8年間を計画期間とする高松市農業振興計画が策定されました。この計画では、本市農業の目指すべき姿、創造性豊かで持続可能な農業の実現に向け、人づくり・ものづくり・基盤づくり・地域づくりの四つの基本方針のもとに、施策を展開すると示されていますが、計画が策定されてからも、農家の高齢化・後継者不足による離農が進み、本市の中山間地・平野部においても耕作放棄地・遊休農地は増加傾向にあります。 このことは、新たな担い手・新規就農者、集落営農組織の立ち上げ、認定農業者などへの農地の集積、規模の拡大経営が計画どおり進んでいないこと、及び計画が実際に農業に携わる者に広く伝わっていないことによるものだと考えます。 そこでお伺いをします。 1点目、高松市農業振興計画が策定されてから3年6カ月が経過していますが、この間に四つの基本方針である1人づくり、2ものづくり、3基盤づくり、4地域づくりについて、どのように取り組んだのか。また、どのような課題があり、その課題について、どのように取り組んだのか、お聞かせください。 2点目、これまでの取り組みを踏まえ、今後どのように取り組んでいくのか、お聞かせください。 次に、自治体出資農業法人について。 さて、農業における担い手不足や高齢化への対策が喫緊の課題となる中、地域農業の維持と新たな担い手の育成に積極的に取り組む自治体があります。 本年8月、効率的な営農、雇用の創出及び新しい地域農業の構築と基盤づくりを勉強するため、自治体出資法人である秋田県鹿角市の有限会社 八幡平地域経営公社へ視察に伺いました。 鹿角市は、1994年8月、農業生産の支援・機能を強化する役割を持つ農業農村支援機構の設立とあわせ、農作業受託などを主たる事業として、農村地域の維持・保全の公益的機能を持たせた地域経営公社の設立を柱とする、鹿角市農業構造改革計画を策定しました。地域経営組織化を進めるため、市内5地区ごとに各集落代表2名から成る地域経営協議会で話し合いが進められ、5地区の中で1996年2月、八幡平地域経営公社──以下、公社が、資本金1,500万円で設立されました。なお、設立当初の資本金内訳は、鹿角市1,000万円、JAかづの200万円、集落・生産組合・農業者など地域出資者300万円でした。 公社の設立目的は、1、八幡平地区の農作業、特に水稲作業受託を行うことで担い手不足へ対応し、同時に農家の過剰投資防止に寄与すること、2、農産物・地域資源を利用した内発的事業を創出し、所得・就業機会を確保すること、3、地域ぐるみでつくった経営継承の安定的法人経営として、個別経営を担う後継者の育成にも貢献すること、4、農地利用調整の受け手──耕作主体になり、農地の維持保全と有効利用を行うことです。 また、平成18年4月1日から、公社が指定管理者として鹿角市八幡平地域連携営農推進団地を運営しており、鹿角市が設置した水稲育苗施設・ミニライスセンター・もみ殻薫炭施設などが整備され、トラクター・8条植え田植え機・6条刈りコンバインなど、農業機械も市が調達しています。また、公社が調達した同様の農業機械もあります。 現在、公社設立後23年が経過し、ノウハウも蓄積されている中、常勤取締役の年齢構成も若返りが図られるなど、経営発展に向けた人材の育成と確保に力を注いでいます。公社は、八幡平地域の農業者や集落代表者からの社会的信用があり、地域になくてはならない存在となっていますが、今後は、近隣の集落型農業法人において後継者不足が懸念され、公社が受託あるいは運営に携わる事態が生じていることから、経営規模の拡大が予想されるとのことです。 本市も人と農地の問題を解決するため、地域農業のこれからを、みんなで話し合って決める人・農地プランの作成を行うための支援を行っています。鹿角市が設立した地域経営公社のように農業受託を主たる事業として、農業地域の維持・保全に公益的機能を持たせ、地域の活性化と魅力ある農業地域づくりを目標に、効率的な営農による作業の軽減、雇用の創出など地域と一体となった、新しい地域農業の構築と基盤づくりを話し合うための協議会を市内各地域に設立し、近隣地域で活動している集落営農組織・集落型農事組合法人・認定農業者、新たに農業に取り組む新規就農者、個人農家がお互いに話し合い、地域ごとの事情を踏まえた課題に取り組んでいく必要があるのではないかと考えます。 また、本市の農業従事者も高齢化による離農が進んでいるものと思われます。一例として、私が参加している西三谷農事組合法人でも、高齢化、後継者がいないなどの理由から、近隣農家から11.5ヘクタールの農地を受託し、水稲・小麦・裸麦・ブロッコリーの作付をしています。受託面積は、年々増加しています。 しかし、組合員18名中9名が70歳以上で、若くて50歳代後半です。今後、5年、10年後を考えると、後継者不足が明らかです。組合が受注している農地を所有者に返しても、所有者が農地を保全していくことは困難だと思います。このことは、ほかの集落営農組織にも当てはまるのではないかと思います。地域農業を取り巻く環境は、年々厳しくなっており、鹿角市が設立した地域経営公社のように、地域農業の維持と新たな担い手の育成を目的に自治体が出資し、地域交流型農業の形成を目指していくことも一つの方法ではないかと思います。 そこでお伺いします。 1点目、近隣地域での新しい地域農業の構築と、基盤づくりを話し合うための協議会を市内各地に設置する考えについてお聞かせください。 2点目、自治体が出資する農業法人についての御所見をお聞かせください。 3点目、本市において地域農業の維持と新たな担い手の育成を目的とした、自治体出資法人を設立することについての考えをお聞かせください。 次に、農地の耕作条件改善についてお伺いします。 香川県農地機構──以下、機構が事業実施主体である、農地の集積・集約化と遊休農地の解消を目的としたマッチング促進基盤整備事業というものがあります。機構が農地中間管理権を取得した農地に対して、畦畔除去や暗渠排水の設置などを行う基盤整備タイプは、受益者負担が20%です。よりよい基盤条件を持つ農地に整備する圃場整備の平成28年度末の整備率は、香川県約38%、高松市約23%と低く、本市のほとんどの農地が圃場整備が実施されていない農地だと言えます。 現在、集積された農地を受託して農業に取り組んでいる認定農業者・集落営農組織などでも、従事者の高齢化が進んでいます。さきの質問の中でも述べましたが、後継者がいなければ、耕作放棄地へとつながります。 また、農地の圃場整備が行われていなければ、集積・集約されても、借り手はいないものと思います。国の補助事業では、地元負担金なしでの農地中間管理機構関連農地整備事業がありますが、事業実施に当たり、農地所有者の同意が得られにくい現状があります。 立地適正化計画に伴う適切な土地利用について、来年7月からの開発指導要綱・開発指導技術基準の変更により、用途白地地域のうち、居住誘導区域外では、農地転用の対象外となる農地ができてくるものと思われ、このような農地についても、さきに説明した機構が行う簡易な基盤整備を行うことにより、作業の軽減及び農地の集積が行われ、借り手も見つかりやすくなると考えます。 しかし、機構が行う基盤整備は、受益者負担が発生します。農業者・農地所有者の現状を考えれば、受益者が負担をしてまで基盤整備を行うことは困難です。農地の保全・集積を図り、集落営農組織・認定農業者・新規就農者などが農業を継続できる環境を維持していくためには、現在の県60%、市20%、受益者負担20%という補助率を見直し、将来、耕作放棄地・遊休農地にならない対策として、マッチング促進基盤整備事業での受益者負担をなくしていかなければならないと考えます。 そこでお伺いします。 今後も、農業を継続していくためには、農地の整備や集積・集約化が必要です。農地の整備や集積・集約について、どのように受けとめているのか、お聞かせください。 機構が事業実施主体であるマッチング促進基盤整備事業を活用し、居住誘導区域外で耕作放棄地とならないよう、農地の保全・集積を図り、農業を継続・維持していくために、この事業に係る市の補助率を40%に引き上げ、受益者負担をなくしていくことについて、考えをお聞かせください。 次に、農福連携についてお伺いします。 人口減少や高齢化が進行する中で、福祉分野と農業分野が連携した農福連携の取り組みが各地で盛んになっています。農福連携は、障害者等の農業分野での活躍を通じて社会参画を促し、また、それが農家の人手不足の解消につながるとして、福祉(障害者等)における課題、農業・農村における課題、双方の課題を解決しながら、双方の利益にもつながるものです。農業側からすると、農業従事者が減少、あるいは高齢化する中、また、それに伴い耕作放棄地が増加する現状を踏まえ、労働者として障害者の方が期待されています。取り組み方によっては、農地管理や規模拡大にも大きな効果があると思われます。また、障害者への就労機会の提供により、農業を通じた社会貢献もできます。 一方、福祉側からすると、障害の程度や作業能力に応じた働く機会を提供することが可能になります。障害者が自然に触れ合うことにより、情緒の安定や一般就労に向けての体力・精神面での訓練になると思われます。また、地域との交流の機会も生まれ、障害者の外向性も養われると考えられます。 政府が定めた日本再興戦略2016及びニッポン一億総活躍プラン──平成28年6月閣議決定では、農業分野での障害者の就労支援等の推進の観点から農福連携の推進が盛り込まれるなど、農福連携は、重要施策として位置づけられています。 また、香川県では、2011年度に障害福祉課が障害者就労施設の工賃水準の向上のため、農政水産部やJA生産者部会と連携して、農家での施設外就労を推奨しました。農業者と障害者施設等のニーズがうまく結びつくこと等が重要であることから、窓口役をNPO法人 香川県社会就労センター協議会に依頼し、両者のニーズをマッチングする仕組みが功を奏し、県では、農作業に携わった障害者が5年間で7倍に増加しました。そして、その成果もあり、農福連携の先進県として、全国各地から視察が相次いでいるとのことで、本市も県との連携を強化し、農業と福祉、双方の課題を解決しながら、双方に利益をもたらすよう取り組むことが重要であると考えます。 そこでお伺いします。 1点目、農福連携についての御所見をお聞かせください。 2点目、農福連携に取り組む考えについてお聞かせください。 次に、道の駅についてお伺いします。 道の駅は1993年、当時の建設省、現在の国土交通省によって登録制度が開始され、交通の円滑な流れを支えるため、一般道路を利用する全ての人々が安心して利用できる休憩施設として、当初は103カ所からスタートしました。その後26年間、2019年6月19日時点で10倍以上の1,160カ所に広がり、地元の特産品や観光資源を生かして、多くの利用者を引きつけ、地域の雇用創出や経済の活性化、高齢化社会、地域課題等に対応した地域福祉・住民生活支援のためのサービスの向上にも貢献しています。 2019年1月の国土交通省の道の駅概要には、全国年間売上高2,500億円、全国年間購買者数2億4,000万人と、道の駅そのものが観光目的となるほどの集客力を発揮している施設が多数存在しています。 道の駅の機能としては、道路利用者のための休憩機能、道路利用者や地域の人々のための情報発信機能、道の駅を核として、その地域の町同士が連携する地域の連携機能があります。それに加え、近年、大きく期待されているのが、災害時における防災拠点としての機能です。東日本大震災においては、被災者の避難場所や支援物資の拠点としての機能を発揮したことも、道の駅の新しい役割として注目されています。 国土交通省は、2015年1月に、道の駅が地域活性化の拠点となる重点道の駅制度を創設しました。地域活性化の拠点として、特にすぐれた機能を継続的に発揮している道の駅を選定するものであり、これは、経済の好循環を地方に行き渡らせる成長戦略のツールとして、道の駅を位置づけるとともに、道の駅を核とした、小さな拠点のモデルとして重点的に支援するものです。 また、人口減少・超高齢社会の中で、地域活力の維持という課題に対し、観光や産業の振興、そして、地域拠点の形成等により交流人口の増加を図るなど、既に一定の成果をおさめている事例も数多くあり、地域における地方創生戦略を具体化していく上での有効な資源となり得ると言えます。このように道の駅は、単に道路利用者の休憩施設から地方創生の核として、その役割は著しく発展しています。 さて、本市では、平成30年3月に立地適正化計画が策定され、本年6月19日に第3期高松市中心市街地活性化基本計画が国の認定を受け、さらなる中心市街地の活性化に向けた取り組みが推進され、居住誘導区域である中心市街地では、第2期計画に続き、まちづくりの計画が示されています。 一方で、立地適正化計画により居住誘導区域外とされた地域の具体的な施策・事業については、多核連携型コンパクト・エコシティ推進計画において、立地適正化計画に係る実施事業とあわせて登載し、一体的に取り組むこととしますとあるものの、本年6月13日の建設消防調査会で発表された都市構造の集約化に向けた施策パッケージでは、居住誘導区域外の具体的なまちづくり計画は示されていないと思います。 居住誘導区域外において道の駅を設置すれば、地元農産物・特産品の販売・消費が促進され、新たな雇用の創出が見込まれることや、老若男女が集まり交流・活躍し、にぎわいと活気のある空間として、元気な地域をつくる周辺地域住民の交流拠点や災害時の防災拠点としての役割を果たすなど、さまざまな効果が期待されるため、道の駅整備を積極的に進める必要があると考えます。 そこでお伺いします。 1点目、道の駅についての御所見をお聞かせください。 2点目、居住誘導区域外において、まちづくりの地域拠点施設として道の駅を設置する考えについて、お聞かせください。 次に、多世代交流についてお伺いします。 日本は、世界でも、かつて例を見ないほどの人口減少・超高齢社会を迎えています。そのような中、地域社会においては、人間関係の希薄化により、子育て世代・若者・高齢者などが孤立により、さまざまな不安や悩みを抱えている現状があります。日本は、住民ニーズの多様化に対応するため、便利で機能的な社会となりました。それにより、御近所同士でわざわざ助け合う必要がなくなり、必然的に地域における連帯意識が弱まりました。わずか数十年前は、地域の人間関係で支え合うのが当たり前だったのに、なぜこのように急激な変化が起こったのでしょうか。 核家族化、さらには地域社会に依存しなくても生活できる豊かな社会になったことで、他者と関係を持たなくても生活でき、地域で社会的な役割を果たさなくても、生きていくことが可能な社会になったことが要因ではないかと考えます。かつては、地域の中で異年齢の子供たちが一緒に遊び、農業や家の仕事を手伝い、年中行事への参加を通して一人前の大人になっていくことができたのではないでしょうか。 しかし、高度成長期を経て、こうしたプロセスにかわって、地域とは余り縁を持たずに学校・就職という段階を経て生きていく人たちがふえていきました。こうしたことが複合的に作用しながら、地域の人間関係の希薄化を進め、子供・若者やその親が、これまでは地域の力によって解決されていたさまざまな課題を、それぞれで抱え込むようになったと思います。 本市では、平成26年度から高齢者居場所づくり事業を実施しており、高齢者だけでなく、子供たちを交えた世代間交流の場など、気軽に集える居場所の開設を進めてきました。この居場所を通じた高齢者と子供たち、その保護者や地域に暮らす人たちとの交流がどの程度できてきたでしょうか。多世代交流を進めていくためには、誰もが気軽に参加できる場が地域の中に必要です。それは、分譲住宅等を購入して新しく居住した人たちと、その地区に従前より暮らしている人たちの出会いの場をつくることだと考えます。 例えば、ファミリー・サポート・センター事業をコミュニティ協議会単位で行っていくことが、世代間交流の場をつくることだと思います。この事業は、地域で子育て援助活動をすることで、仕事と育児の両立支援と地域の子育て支援を行う事業のことです。子供の預かり援助を希望する人と援助を提供する人が、それぞれ会員登録をして、相互援助によって子育てを支援するものです。 しかし、たかまつファミリー・サポート・センターでは、2019年4月30日現在、援助を希望する会員1,877人、援助を提供する会員578人、どちらも会員116人と、援助を提供する会員が少ないため、必要なときに預かりの援助が利用できにくいのではないかと思われます。ファミリー・サポート・センター事業の運営を委託しているNPO法人とともに、本市としても、各地域の元気な高齢者等にこの事業を説明し、援助を提供する会員になっていただき、事業の拡充を進めていくことも多世代交流の一つだと思います。 また、地域住民・高齢者・障害者・母子・父子・子供など、気軽に立ち寄ることができる多世代の交流拠点の場として、コミュニティセンターをより活用していく必要があると考えます。 さらには、地域によって抱えている課題が異なるため、それぞれの地域の実状を十分に把握した上で、行政と地域住民双方の考えや立場を踏まえ、意思疎通を図る人材が必要ではないでしょうか。 神奈川県逗子市では、2010年より市民活動の活発化や新しい公共といわれる領域を拡大しました。また、市民と行政をつなぐ機能を強化するため、市民と協力し、分野をまたいで人材や組織を横断的につなげることが求められていたことから、市民協働のまちづくりを推進する専門の市民協働コーディネーターを行政内部に配置しました。市民協働コーディネーターの配置とあわせて、係長以下の若手職員を市民協働推進委員に任命し、行政職員のコーディネート能力養成と組織間の連携機能の構築を目指しています。今では、行政計画や施設整備計画などの立案だけでなく、子育て支援や観光振興などの事業においても、企画段階から市民とのワークショップ形式などによって、対話を重ねながら合意形成を図り、さらに、事業の実施にも市民が参画して、行政と市民が協働でつくり上げるスタイルが定着しているとのことです。 逗子市のみならず、ほかの自治体でも、地域や社会的な課題の解決策や地域力再生活動においてコーディネーターが活動しています。 そこでお伺いします。 コミュニティーの再生に寄与すると考えられる多世代の交流拠点であるコミュニティセンターを、今後どのように活用するのか、お聞かせください。 2点目、多世代交流について、行政と地域住民双方の考え方などの意思疎通を図るため、専門のコーディネーターを配置する考えについてお聞かせください。 3点目、本市も、平成20年度より市民活動団体や地域と行政をつなぎ、協働を進めていくためのコーディネーターとして協働推進員が配置されています。協働推進員の活動の成果と、コーディネーターとしての研修実施状況についてお聞かせください。 最後の質問となります「広報たかまつ」の配布についてお伺いします。 「広報たかまつ」は、現在、自治会を通じて、自治会加入世帯に配布しており、自治会未加入世帯には、個別郵送やみずから近隣の支所・出張所等に取りに行っていただくなどで対応をしています。これまで、高松市コミュニティ協議会連合会・高松市連合自治会連絡協議会が設置している自治会の在り方等検討プロジェクトチームの中で、自治会のあり方を踏まえ、広報配布について検討を進めることとなっていました。 しかし、本年7月から8月にかけて、市当局より広報紙の配布については、来年5月から事業者またはコミュニティ協議会のポスティングにより、全世帯に配布することに変更したいという旨の説明が、各地域コミュニティ協議会・連合自治会にありました。そもそも「広報たかまつ」の全世帯配布は、市長に対する監査委員の意見に起因するものと思われます。それは、市が広報紙の配布について現行の配布方法をとる限り、同じ市民でありながら、自治会加入の有無により、市広報紙の配布を受ける者と受けない者が生じる結果を招来し、しかも、市広報紙の配布を受けない世帯の数が全体の約25%を占めるという、看過しがたい状態にあることが認められるため、可及的速やかに、市広報紙の全世帯配布の実現に向けて、しかるべき措置を講じることを要望するというものです。 「広報たかまつ」の配布方法については、これまでの自治会会員が加入世帯を一軒一軒回り、広報紙を配布する方法は、単に広報紙を届けるだけではなく、住民への声かけやひとり暮らしの高齢者の見守りといった、住民同士のつながりを強めることで、災害時など、いざというときの助け合いや支え合いに有効に作用することも目的の一つとして行われていました。 本市では、第6次高松市総合計画のまちづくりの目標に、「市民と行政がともに力を発揮できるまち」を掲げ、参画・協働によるコミュニティーの再生を図るため、地域コミュニティーの自立・活性化に努めることとしていますが、地域コミュニティーを支える大きな基盤となるのは自治会です。 しかし、平成29年度限りで自治会加入・結成奨励補助金制度を廃止した一方で、自治会への加入を促進しており、その取り組みには整合性がありません。その上、広報紙の配布を事業者委託にすることは、自治会組織の弱体化にもつながり、地域コミュニティーの形成には大きな後退要因になると考えます。 また、コミュニティ協議会・自治会が、自治会未加入世帯も含め、地区内の全世帯に広報紙を配布することは、自治会加入世帯の目線では納得できるものではなく、自治会からの脱退や組織の解散を助長することにもつながりかねません。自治会未加入世帯への広報紙の配布については、従来どおり、希望者への郵送、公共施設での設置に加え、鉄道の駅・コンビニエンスストア・商業施設などにあるフリーペーパーと一緒に置くことで、広報紙希望者へ対応できるのではないでしょうか。 そこでお伺いします。 1点目、「広報たかまつ」の配布については、従来どおりの配布方法で行うことに対する考えをお聞かせください。 2点目、自治会に対する市長の考えをお聞かせください。 以上で私の代表質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。 ○議長(小比賀勝博君) ただいまの30番議員の代表質問に対する当局の答弁を求めます。市長大西秀人君。  〔市長(大西秀人君)登壇〕 ◎市長(大西秀人君) 30番造田議員の代表質問にお答え申し上げます。 まず、農業のうち、高松市農業振興計画に関し、1人づくり、2ものづくり、3基盤づくり、4地域づくりについて、どのように取り組んだのか。また、どのような課題があり、その課題について、どのように取り組んだのかについてであります。 農業を取り巻く状況が大きく変化する中、本市では、農業振興計画を策定し、将来にわたって持続可能な農業を目指すことが最も重要であるとした上で、本市農業の目指すべき姿を、創造性豊かで持続可能な農業とし、人づくり・ものづくり・基盤づくり及び地域づくりの四つの基本方針に基づき、各種施策に、鋭意、取り組んでいるところでございます。 まず、人づくりにつきましては、新規就農者や認定農業者の確保・育成のため、関係機関と連携し、就農希望者に対し、就農相談から技術等の指導や定着を支援するとともに、経営規模拡大や所得向上に向けて、農地集積の促進などにも努めているところでございます。 ものづくりにつきましては、産地交付金などを活用して、水稲・麦・大豆等の生産拡大を図ったほか、消費者ニーズに即した園芸作物の生産拡大、品質の向上やブランド化を図るため、関係機関と連携して特産品の育成、及びブランド化に向けた取り組みを支援しているところでございます。 基盤づくりにつきましては、農業振興地域制度の的確な運用による優良農地の確保や、農地中間管理事業の積極的な活用などにより、担い手等への農地の集積を促進するとともに、各種土地改良事業による農業生産基盤の整備などに努めているところでございます。 最後に、地域づくりにつきましては、生産者と消費者の結びつきの強化や市民の豊かな食生活の実現を図るため、産地直売所等に対する支援や、学校給食等での地元農畜産物の利用拡大等を通じて、都市と農村との交流や地産地消を促進しているところでございます。 これらの取り組みを推進するに当たりましては、農業従事者の高齢化や後継者不足、担い手の規模拡大が大きな課題であるものと存じております。このため、国の農業次世代人材投資資金などの支援策を活用した新規就農者の確保や、認定農業者等が必要とする機械や施設への助成を行っているほか、農地中間管理事業を活用した担い手への農地集積・集約の促進等に取り組んでいる状況でございます。 次に、これまでの取り組みを踏まえ、今後、どのように取り組んでいくのかについてであります。 高齢化、担い手不足、耕作放棄地の増加の傾向は、今後も継続するものと存じております。 私といたしましては、これまでの対策を一層進めるとともに、多様な農業経営体の現場でのニーズを的確に把握しながら、きめ細やかな支援を実施することにより、本市農業の目指すべき姿、創造性豊かで持続可能な農業の実現に向け、鋭意、取り組んでまいりたいと存じます。 次に、自治体出資農業法人のうち、近隣地域での新しい地域農業の構築と、基盤づくりを話し合うための協議会を各地域に設置する考えについてであります。 現在、本市では、33地区で人・農地プランが策定されており、その検討・協議の際に、各地域農業再生協議会の地区水田部会において、担い手不足や耕作放棄地などの地域における課題や、今後の地域農業のあり方についての話し合いがなされているものと存じております。このため、新しい組織を設けることは考えておりませんが、今後、各地域における人・農地プランの策定や見直しの中で、新しい地域農業の構築や基盤づくりの話し合いができるよう、働きかけてまいりたいと存じます。 次に、自治体が出資する農業法人についての所見であります。 自治体が出資する農業法人につきましては、全国的に見ると、これまで、作業の受託や農地の有効活用を初め、地域の振興など、一定の役割を果たしてきたものと存じます。 一方で、特に市町村が出資する法人につきましては、農業をめぐる状況や経済情勢の変化、さらには、法人で対応できる事業の範囲の見直しなどによって、現在は運営が厳しくなっているところが少なくないものと存じております。 次に、地域農業の維持と新たな担い手の育成を目的とした、自治体出資法人を成立する考えについてであります。 自治体出資法人の設立につきましては、財政面での懸念もありますことから、現時点では難しいものと存じますが、今後、担い手不足や耕作放棄地の増加などの諸課題を解決するため、従来の取り組みに加えて、どのような方策が可能かについて検討してまいりたいと存じます。 次に、農地の耕作条件改善のうち、農地の整備や集積・集約について、どのように受けとめているのかについてであります。 農地の整備や集積・集約を行うことは、農地の保全や安定した農業経営の確立、さらには、持続的な農業にとって重要なことであるものと存じております。 このため、本市におきましては、各種の土地改良事業により農業生産基盤の整備に努めているほか、担い手への農地の集約を図るため、農業委員会に配置している農地集積専門員を従来の2人から、本年度は3人に増員するとともに、新たに農地保全管理用機械の導入を支援する補助事業を設けるなど、担い手への農地集積の促進に取り組んでいるところでございます。 次に、マッチング促進基盤整備事業に係る補助率を40%に引き上げ、受益者負担をなくしていく考えについてであります。 マッチング促進基盤整備事業は、香川県農地機構が主体となって行う簡易な基盤整備や、再生作業に要する経費の一部を助成するもので、20%の受け手の負担が求められております。 これは、県の補助金交付要綱に定められたものであり、本市の財政事情等を踏まえれば、市の補助率を引き上げることは難しいものと存じますが、引き続き、地域の状況等を勘案し、各種の施策を活用して農地の整備や集積・集約の促進に取り組んでまいりたいと存じます。 次に、農福連携のうち、農福連携についての所見であります。 農福連携は、御質問にもございましたように、農業と福祉が連携し、障害者の農業分野での活躍を通じて、農業経営の発展とともに、障害者の自信や生きがいを創出し、社会参加を実現する取り組みでございまして、近年、全国に広がりを見せている状況でございます。 この農福連携の取り組みは、地域において労働力の確保が喫緊の課題となっている農業と、一般就労等の働く場を求めている福祉の両方が、いわゆるウイン・ウインの関係を構築できる取り組みであるものと存じます。 さらに、障害者が農業現場で働くことを通じて、農業経営の発展につながることはもとより、そこで働く障害者の賃金・工賃に加え、体力や社会性の向上、地域との交流促進等、障害者の生活の質の向上も期待される取り組みでもあるものと存じます。 次に、農福連携に取り組む考えについてであります。 本市におきましても、既に、香川県社会就労センター協議会の仲介により、障害者が収穫の一部を請け負った事例があり、さらに、市内の障害福祉サービス事業所が休耕地に福祉農園を整備し、障害者に就労の機会を提供する取り組みが予定されていると伺っております。 私といたしましては、農福連携を、農業分野における障害者の活躍促進だけにとどまらず、高齢者・生活困窮者・ひきこもりの状態にある者等にも広げていくことが肝要であるものと存じます。こうした農福連携の取り組みは、国連のSDGs──持続可能な開発目標の17ある国際目標のうちの3、あらゆる年齢の全ての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進するなど、10の目標に貢献できるものと想定される取り組みでございます。また、障害者・高齢者等、全ての人が地域で暮らし、生きがいをともにつくり、高め合うことができる地域共生社会の実現に資する取り組みの一つでもあると存じておりまして、これからの地域の課題を解決する大変重要な取り組みであるものと存じております。 このようなことから、本市といたしましては、今後、他市の事例も参考にしながら、農業者・障害者等、双方のニーズを的確に把握するとともに、農業経営体及び障害者就労施設等に対して積極的に働きかけるなど、農福連携の促進に努めてまいりたいと存じます。 次に、道の駅のうち、道の駅についての所見であります。 道の駅は、道路利用者のための休憩機能や情報発信機能に加え、近年では観光振興を初め、地域防災や地域交流などの役割も期待されており、特に、地域ならではの魅力的な地場産品や食を提供する道の駅は、観光の目的地として認知される存在になっているものと存じます。 現在、本市におきましても、牟礼・香南・塩江の3地域におきまして、道の駅の管理・運営を行っており、各指定管理者等が民間のノウハウを発揮しながら、地域の特性に応じた独自のサービスを提供することで、多くの方に利用いただいており、本市の観光や地場産業の振興が図られているものと存じます。 今後、人口減少、少子・超高齢社会が進展する中、交流人口の拡大や地域コミュニティーの活性化、雇用の創出を図る上で、道の駅が果たす役割は、ますます大きくなるものと存じております。 次に、居住誘導区域外において、まちづくりの地域拠点施設として道の駅を設置する考えについてであります。 本市の中山間地域を含む、居住誘導区域外におきましては、各集約拠点等の都市機能の利便性が享受でき、公共交通網など生活に必要な基盤を維持することで、自然と調和した豊かさを感じられる居住環境を形成することとしております。そして、これらの地域が自主的なまちづくり活動に支えられながら、集約拠点等と活発に交流できるよう、暮らしやすいまちづくりを目指しているところでございます。 本市では、現在、この方向性も踏まえ、居住誘導区域外であり、人口減少や高齢化の進展が著しい塩江地区におきまして、医療・物販・飲食、温浴施設、交通ターミナル機能等を備えた道の駅エリアの再整備に取り組んでいるところでございまして、さらに、このエリアと他の集約拠点や高松空港・主要鉄道駅等を有機的に結びつけることで、観光交流や地域住民の生活の拠点にしてまいりたいと存じております。 居住誘導区域外における道の駅を生かした地域拠点づくりにつきましては、地域の課題を解決できる手法の一つであるものと存じますことから、既存ストックの有効活用も含め、今後とも、その可能性を探ってまいりたいと存じます。 次に、多世代交流のうち、多世代の交流拠点であるコミュニティセンターを、今後、どのように活用するのかについてであります。 本市では、市内に52のコミュニティセンターを設置し、各地域コミュニティ協議会を指定管理者に選定することにより、本市が掲げる市民主体のまちづくりの推進に努めているところでございます。 また、各コミュニティセンターは、地域住民の誰もが気軽に立ち寄り、多様な世代間の触れ合い交流が図られる場としての役割を担っており、各地域コミュニティ協議会において、地域住民が自主的に参画し、触れ合い、交流する事業等の企画及び実施を行っているところでございます。 このようなことから、多くのコミュニティセンターにおきましては、生涯学習講座の開催のほか、子ども遊び場事業や福祉餅つき事業・地域ふれあい交流事業などのイベントを通して、子供から高齢者まで、広く地域住民が触れ合い、交流を深める機会を設けており、着実に地域の活動の輪が広がっているものと存じます。 本市といたしましては、今後とも、コミュニティセンターが地域の特性を生かしながら、住民ニーズに応えられる施設として、地域住民に広く認識され、さらなる多世代交流につながるよう取り組んでまいりたいと存じます。 次に、行政と地域住民の意思疎通を図る、専門のコーディネーターを配置する考えについてであります。 本市では、高松市自治基本条例に市民主体のまちづくりを掲げ、市民や地域コミュニティ協議会・市民活動団体など、多様な主体との協働による、まちづくりを推進しているところでございます。このため、地域と行政の協働による、まちづくりを推進するためのコーディネーターとして、平成20年度から協働推進員を庁内の各部署に配置し、23年度からは、各地域コミュニティ協議会単位で、地域担当の協働推進員を配置したほか、29年度には、原則、各地域に居住する局次長級・課長級職員の中から推進員を選任し、コミュニティ推進課と兼務発令をするなどの見直しを行ったものでございます。 多世代交流を初め、多様化する地域課題に地域コミュニティ協議会が対応していくためには、行政と協働して、一つ一つ解決していくことが重要であり、地域担当協働推進員が、地域コミュニティ協議会と行政のパイプ役として積極的かつ適切にかかわり、コーディネートしていくことが必要であるものと存じております。 今後におきましては、協働推進員のコーディネート能力を高める研修の実施や、地域との意見交換や情報共有の場づくりなど、制度の充実を図ってまいりたいと存じます。 お尋ねの、専門コーディネーターを行政内部に配置し、コーディネートすることにつきましては、御紹介いただきました他市の事例も参考にしながら、まずは、協働推進員の役割の中で対応してまいりたいと存じます。 次に、「広報たかまつ」の配布のうち、従来どおりの配布方法で行う考えについてであります。 現在、「広報たかまつ」は、高松市連合自治会連絡協議会を通じて、自治会加入者である会員世帯を主として配布しておりますが、近年の自治会加入率の減少に伴い、「広報たかまつ」の配布率も低下している状況でございます。 このような中、御質問にもありましたように、昨年3月の「広報たかまつ」の配布業務に係る住民監査請求の監査結果において、監査委員から、「市長において、可及的速やかに、全世帯配布の実現に向けて、然るべき措置を講じることを要望する」との意見が出されたところでございます。 これを受けまして、高松市コミュニティ協議会連合会・高松市連合自治会連絡協議会と協議するとともに、全戸配布を実現する方法について検討を重ねてまいりましたが、配布の確実性や継続性等を総合的に評価した結果、具体的な方法として、地域により、事業者ポスティングによる配布、または、地域コミュニティ協議会による配布を選択していただくこととしたものでございます。また、これに合わせ、印刷や配布等に係る経費や負担につきましても検討を行い、現在の月2回の発行を月1回に変更することとしたところでございます。 そして、来年度からの実施に向け、7月から8月にかけて各地域コミュニティ協議会及び各地区連合自治会に、個別に地域の事情をお伺いしながら説明を行い、現在は、広報紙配布の実施主体の意向についての照会を行っている状況でございます。 今後、現在、行っております、この意向調査の結果を踏まえ、地域からいただいております御意見などを再度整理した上で、市議会の御意見も伺いながら、市としての全戸配布に対する考えを最終的に取りまとめてまいりたいと存じます。 次に、自治会に対する考えについてであります。 自治会は、地域住民に最も身近な地縁組織であり、地域コミュニティ協議会の中核を担う基盤組織でもございまして、住民の安全・安心を確保するための防災や防犯、地域包括ケアや健康づくりの推進などの観点から、これからの地域づくりにおきましても、欠くことのできない組織であるものと存じております。 このようなことから、本市におきましては、これまで自治会組織の強化や活動支援のため、毎年11月の自治会加入促進月間でのチラシ配布や、春の転入シーズンにおける自治会案内コーナーの設置などの啓発活動のほか、大手マンション販売会社や管理会社に対する自治会加入を促すための協定締結の働きかけ、さらには、市営住宅における新規自治会加入・結成に向けての説明会開催など、地道な取り組みを続けてきたところでございます。 さらに、昨年から自治会の抜本的な見直しを行うため、高松市コミュニティ協議会連合会、並びに高松市連合自治会連絡協議会と本市で組織した、自治会の在り方等検討プロジェクトチームを設置をし、隣近所の顔の見える関係づくりが自治会にしかできない役割との認識のもと、魅力ある自治会に近づくための効果的な活動などにつきまして議論が重ねられ、提言としての最終報告書が間もなく取りまとめられると伺っております。 今後とも、本市が取り組んでおりますコミュニティーの再生におきまして、自治会の存在は欠かせないものであり、これまでの取り組み等を十分に分析・評価するとともに、先ほど申し上げました最終報告書の提言の内容を踏まえ、今後の自治会の再生に向けて必要な施策の検討・実施など、積極的に対応してまいりたいと存じます。 なお、その他の件につきましては、関係局長から答弁いたしますので、よろしくお願いをいたします。 ○議長(小比賀勝博君) 市民政策局長 佐々木和也君。 ◎市民政策局長(佐々木和也君) 30番造田議員の代表質問にお答え申し上げます。 多世代交流のうち、協働推進員の活動の成果についてでございますが、本市の協働推進員は、庁内の各部署に配置する所属担当と、各地域コミュニティ協議会単位で配置する地域担当がございます。 まず、所属担当においては、課題テーマと自由テーマを合わせて、これまで69件の協働企画提案事業に取り組んでおり、昨年度は、協働推進員が提出したテーマのうち、多胎妊娠、多胎児の育児に対する支援事業をNPO法人と協働で取り組み、DVDを制作することにより、多胎児ならではの問題に対する不安の緩和・解消につなげるなど、各課の課題を協働の手法で解決する取り組みを実施しております。 一方、地域担当においては、地域コミュニティ協議会がコミュニティプランを見直すに当たり、地域の課題等を整理するため、複数の関係課と地域担当の協働推進員が連携して協議の場を設定し、柔軟かつ適切に対応するなど、協働によるまちづくりの推進に向け、効果的な支援が行えたものと存じております。 また、コーディネーターとしての研修の実施状況でございますが、コーディネート能力養成に特化した研修は実施しておりませんが、所属担当につきましては、新たに任命した職員を対象とした初任者研修を初め、講義や協働企画提案事業の報告などを内容とする、年3回の人材育成研修を実施しております。 一方、地域担当につきましては、辞令交付と同時に行うオープニングミーティングを初め、大学講師によるワークショップや講演などを内容とする、年3回の人材育成研修を、それぞれ実施いたしており、御質問のコーディネート能力養成につきましても、今後の研修課題の一つとして取り入れてまいりたいと存じます。 ○議長(小比賀勝博君) 以上で当局の答弁は終わりました。 再質問はありませんか。──御発言がないようでありますので、以上で30番議員の代表質問は終わりました。 この際、暫時休憩いたします。 なお、午後1時に再開いたしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。      午前11時6分 休憩  ────────────────      午後1時1分 再開 出席議員 39名  1番 杉 本 勝 利  2番 白 石 義 人  3番 小比賀 勝 博  4番 大 浦 澄 子  5番 山 下   誠  6番 大 見 昌 弘  7番 西 岡 章 夫  8番 鎌 田 基 志  9番 斉 藤   修  10番 坂 下 且 人  11番 井 上 孝 志  12番 中 村 順 一  13番 辻   正 彦  14番 橋 本 浩 之  15番 十 川 信 孝  17番 住 谷 篤 志  18番 田 井 久留美  19番 神 内 茂 樹  20番 三 笠 輝 彦  21番 北 谷 悌 邦  22番 大 西   智  23番 佐 藤 好 邦  24番 妻 鹿 常 男  25番 天 雲 千恵美  26番 中 西 俊 介  27番 藤 原 正 雄  28番 香 川 洋 二  29番 中 村 秀 三  30番 造 田 正 彦  31番 中 村 伸 一  32番 竹 内 俊 彦  33番 富 野 和 憲  34番 植 田 真 紀  35番 春 田 敬 司  36番 大 山 高 子  37番 太 田 安由美  38番 藤 沢 やよい  39番 岡 田 まなみ  40番 吉 峰 幸 夫  ──────────────── 欠席議員 1名  16番 岡 下 勝 彦  ──────────────── 議会事務局出席者  事務局長     多 田 雄 治  事務局次長議事課長事務取扱           西 川 宏 行  総務調査課長   山 上 浩 平  議事課長補佐   十 河 知 史  議事係長     野 口 勝 弘  議事課主査    田 中 勝 博  ──────────────── 説明のため会議に出席した者  市長       大 西 秀 人  副市長      加 藤 昭 彦  副市長      田 村 真 一  病院事業管理者  和 田 大 助  教育長      藤 本 泰 雄  市民政策局長   佐々木 和 也  総務局長     片 山 智 規  財政局長     溝 尾 彰 人  健康福祉局長   上 枝 直 樹  環境局長     森 田 素 子  創造都市推進局長 長 井 一 喜  都市整備局長   木 村 重 之  消防局長     辻 本 哲 彦  病院局長     山 田 国 司  教育局長     赤 松 雅 子  市民政策局次長事務取扱           佐 藤 扶司子  総務局次長    小 澤 孝 洋  財政局次長    外 村 稔 哉  健康福祉局次長  河 野 佳 代  環境局次長    宮 崎 正 義  創造都市推進局次長事務取扱           多 田 安 寛  都市整備局次長事務取扱           森 田 大 介  消防局次長    福 山 和 男  病院局次長    坂 東 則 幸  教育局次長    石 原 徳 二  秘書課長     松 本 竜太朗  総務課長     大 村   武  財政課長事務取扱 楠   康 弘  ──────────────── ○議長(小比賀勝博君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 代表質問を続行いたします。 20番議員の発言を許します。20番 三笠輝彦君。  〔20番(三笠輝彦君)登壇〕 ◆20番(三笠輝彦君) 令和元年第4回定例会に臨み、私は同志会を代表して、市政全般にわたり質問をさせていただきます。 なお、これまでの代表質問と一部重複する部分もあろうかと思いますが、御了承いただきたいと思います。 初めに、政治姿勢についてお伺いします。 まず、副市長の決意及び期待する役割についてであります。 令和元年6月30日をもって任期満了により退任された松下副市長の後任として、7月16日から田村副市長が就任されております。 これまで本市では、平成19年の金井氏に始まり、勝又氏・松下氏と国土交通省出身の副市長を迎えており、このたびの田村副市長で4代目になります。田村副市長は、旧建設省──現国土交通省に入庁後、数々の要職を歴任され、建設行政・都市政策のプロとして、その手腕を振るわれておりましたが、先日の就任会見においては、まちづくりや観光などの分野で積極的に取り組みたいと抱負を述べられるとともに、さらに、高松を元気にしたいと、その意気込みを語られております。これから、本格化する人口減少、少子・超高齢社会、コンパクト・エコシティの推進、災害への対応など、多くの課題に直面する中、我が同志会といたしましては、田村副市長には、これまでの経験や人脈をフル活用し、諸課題の解決や本市のさらなる発展に、御尽力いただきたいと願うものであります。 そこで田村副市長にお伺いします。 このたび、新たに副市長の職責を担われるに当たり、改めて、その決意をお聞かせください。 また、市長にお伺いします。 国土交通省出身の歴代副市長のこれまでの功績を、どう評価しているのか。 また、それらを踏まえ、国土交通省から新たに迎えた田村副市長の手腕・人脈、そして、今までの経歴を、どのように本市市政に生かされることを期待しているのか、お聞かせください。 次は、広域連携についてお伺いします。 我が国の人口は、平成20年をピークに減少局面に入り、働き手の中心となる15歳から64歳までの総人口に占める割合が、過去最低の水準となっております。また、人口の東京圏への一極集中傾向の反面、地方では、人口減少から地域経済の縮小など活力の低下を招き、さらに、人口減少を加速させるという、負のスパイラルに陥っております。 本市では、自然動態のマイナスを社会動態のプラスでカバーする状態が続いておりますが、結局は、縮小するパイを周辺自治体と奪い合っている形であり、何らかの手を打たなければ、共倒れの危険すらあります。このような事態に対応するために、本市は、周辺自治体と互いに連携協力することにより、圏域全体の活性化を図ることを目的に、平成21年3月に中心市宣言を行い、瀬戸・高松広域定住自立圏の取り組みを進め、平成28年度からは、新たな広域連携制度である連携中枢都市圏へ発展的に移行し、圏域全体のさらなる活性を目指した取り組みを行っておりますが、まだまだ十分であるとは言えません。 昨年改定された、まち・ひと・しごと創生総合戦略においても、地方創生のための地域間連携の重要性がうたわれております。「唇亡びて歯寒し」の言葉にあるように、今は周辺自治体で競い合うのではなく、互いに協力し合うことによって、これからの人口減少、少子・超高齢社会を生き抜いていく必要があるものと存じます。 そこでお伺いします。 瀬戸・高松広域定住自立圏、及び瀬戸・高松広域連携中枢都市圏構想について、どのような成果が得られたのか、お聞かせください。 また、本市だけでなく、圏域での人口維持に向けた連携事業に取り組む考えをお聞かせください。 さらに、将来を見据え、広域連携の取り組みを、より一層、拡充・強化する考えをお聞かせください。 次は、市民と市長との意見交換会についてお伺いします。 本市では、高松市自治基本条例に定める、情報共有・参画・協働の三つの原則のもと、市民と議会・行政が協力・連携しながら、まちづくりを進めていくこととしております。 このたび、大西市長の4期目のスタートに当たり、「活力にあふれ 創造性豊かな 瀬戸の都・高松」の実現に向け、これからのまちづくりの参考とするために、市民と市長が率直に話し合う、市民と市長との意見交換会が4年ぶりに開催されております。今回の意見交換会は、大西市長が掲げる地域共生社会の実現やコンパクト・プラス・ネットワークのまちづくりをテーマとし、対象者が限定されない市民自由参加の意見交換会、地域コミュニティ協議会から推薦された人と行う地域での意見交換会、そして、市内大学等の学生と行う学生との意見交換会の3種類で構成されており、幅広い層の声を市政に反映させようとの市長の意気込みがうかがえ、今後の本市のまちづくりに期待を強く持つ次第であります。 また、去る7月29日には、第1回目として、市民自由参加の意見交換会を開催し、本市の人口減少、少子・超高齢化の現状や地方創生、そして、市長のマニフェスト2019等についての説明が行われ、参加された市民と、さまざまな意見交換を行ったと仄聞しております。 さらに、8月には、市内7ブロックにおいて地域での意見交換会が開催されており、今後のまちづくりにとって有益な、さまざまな意見交換が行われたことと存じます。 そこでお伺いします。 今回の意見交換会では、どのような意見が出たのか。また、それらの意見に対する所見をお聞かせください。 また、市民からの意見を、まちづくりにどのように反映させていくのか、考えをお聞かせください。 次に、行財政問題についてお伺いします。 まず、予算・決算についてです。 今定例会に提出されております平成30年度一般会計決算の概況によりますと、歳入総額は対前年度比8.4%減の1,611億円、歳出総額は対前年度比8.6%減の1,577億円となり、決算規模は、歳入歳出とも6年ぶりの減で、特に歳出は、防災合同庁舎など大型の建設事業がピークを越えたことなどから、3年ぶりの1,500億円台となっております。 また、プライマリーバランスは、約18億円のプラスと3年ぶりの黒字に転じた一方で、臨時財政対策債を除く市債残高は1,023億円で、4年連続の増となるとともに、市の貯金とも言える財源対策基金の残高は、前年度末に比べて約49億円減少し、そのうち、財政調整基金は8年ぶりに100億円を下回りました。 今後、歳入においては、市税収入の大幅な増加が期待できない上に、地方交付税の減少も見込まれ、歳出においても老朽施設の更新や修繕への対応、高齢化の進展に伴う社会保障関係費はもとより、来年度から始まる会計年度任用職員に係る経費など、その増大は避けられず、また、このままの状態が続けば、財源対策基金も数年で枯渇することも予想されます。 このような厳しい財政状況の中、財源確保対策に積極的に取り組むとともに、市民にとって必要な事業を取捨選択し、行政需要に弾力的かつ的確に対応できる予算編成が行われることを期待します。 そこでお伺いします。 平成30年度一般会計決算を受けての所見をお聞かせください。 また、令和2年度予算編成に対する基本的な考えについてお聞かせください。 次に、財源の確保についてお伺いします。 先ほども申し上げましたとおり、近い将来、本市の財政調整基金が枯渇することが懸念されます。今後も、厳しい財政状況が続くことは言うまでもありませんが、近年の本市における市税の収納率等の推移を見てみますと、過去5年間は、市税及び税外債権の収納率が向上しておりますほか、収入未済額も減少しており、本市が行っている収納対策の取り組みが功を奏したものと思われます。 しかし、平成30年度現年度の収納率の実績は、市税が99.1%であるのに対し、国民健康保険料は90.5%にとどまるなど、債権の種類によって収納率に大きな差が出ており、収納率のばらつきを克服していかなくてはなりません。 このような中、先月、高松駅前広場の公衆便所を対象にネーミングライツ事業者を募集するという、歳入確保に向けたユニークな取り組みが発表されました。金額的に大きくなくても、市有財産を有効に活用し、小さいところからでも新たな財源を確保しようという姿勢は評価できます。 また、7月には、新税導入や超過課税も視野に入れた自主財源の充実・強化に取り組むため、自主財源検討委員会を設置し、第2回目の会議が先日開かれたとお聞きしております。市長のマニフェストにも、都市計画税や法定外目的税・超過課税の導入などについて検討することが掲げられていますが、歳出減を目指すだけでなく、それ以上に、歳入増に向けて取り組み、将来を見据えた健全で持続可能な財政運営を目指していただきたいと思います。 そこでお伺いします。 本市における収納対策取り組み結果に対する所見について、また、今後、市税等の収納率向上に向けて、どのように取り組むのか、お聞かせください。 財源確保に向け、規模を問わず、市の施設にネーミングライツを積極的に導入する考えをお聞かせください。 高松市自主財源検討委員会の検討状況についてお聞かせください。 また、市長のマニフェストに掲げられている、都市計画税や法定外目的税・超過課税の導入について、市長の考えをお聞かせください。 次に、スマイルプランについてお伺いします。 国においては、本年4月1日から、順次、働き方改革関連法を施行し、働き方改革を推進しています。特に、長時間労働の是正については、働く人が、それぞれの事情に応じた多様な働き方を選択でき、仕事と家庭生活を両立できる社会の実現につながるとされ、国が総力を挙げて取り組んできた喫緊の課題であります。 本市におきましても、職員の長時間労働の是正とワーク・ライフ・バランスの推進を図るため、平成30年4月に働き方改革3か年重点取組、通称スマイルプランを策定し、全庁を挙げて取り組んでいるところであります。このスマイルプランには、3年後の目標指標として、一つ、月80時間以上の時間外勤務を行う職員数をゼロ人とする、二つ、年間360時間を超える時間外勤務を行う職員の割合を5%以内とする、三つ、1人当たりの有給休暇取得日数を年間15日以上の取得とするの三つが掲げられておりますが、その達成には相当の努力が必要と思われます。 しかし、働き方改革は、職員が健康で働きがいを実感でき、成果とコストを意識した生産性の高い職場環境の整備のために、極めて重要でありますことから、全ての職員が一丸となり、その取り組みを継続的に実施することが必要であります。 そこでお伺いします。 スマイルプランの取り組みについて、1年を経過しての目標指標の達成状況を踏まえた所見をお聞かせください。 また、スマイルプランの達成状況を踏まえ、今後、どのように働き方改革に取り組むのか、お聞かせください。 次は、まちづくりについてお伺いします。 まず、立地適正化計画についてです。 本市におきましては、昨年3月に高松市立地適正化計画を策定し、30年後、50年後を見据えた都市構造の集約化を進めることとしており、本年6月には、その実現に向け、総合的な施策パッケージとして17の施策・事業が示されました。これらは、居住誘導区域への居住を誘導するためのインセンティブとなる施策や、居住誘導区域外においては、安心して住み続けることができる住環境の維持に資する施策であり、可能なものから、順次、取り組んでいくこととされております。 しかし、これら全ての施策において、十分に市民の理解が得られているとは言えず、今後は市民との合意形成に向けて、丁寧な説明に努めるほか、市民からの意見を踏まえて、必要な修正を加え、誰もが納得する施策とする必要があると考えます。 また、広域連携に関する質問の際にも申し上げましたが、人口減少が進む中、今後は周辺自治体と連携を進めることが重要であり、自治体の境界線を挟んで、双方の規制策や支援の基準が大きく異なるようなことは避けるべきです。 このようなことから、住民の意見に真摯に耳を傾け、居住誘導区域外の地域が見捨てられることのないよう、それぞれの地域の特性を生かしたまちづくりを進めるほか、広域的な観点からも、周辺自治体と連携した、さらなる効果的な施策の検討が望まれます。 また、本市においては、市民・事業者・行政がコンパクトで持続可能なまちづくりに向けて、住宅政策の方向性を共有するために、その基本指針となる豊かな住まいづくり条例(改称)を本年度中に制定することとしております。本条例は、本市の住宅に関するさまざまな計画や各課が個別に実施する事業を束ね、良好な住環境の形成に取り組むに当たっての理念を取りまとめたものとなることから、本市の住宅政策に関する課題解決に向けた、幅広い視点での検討が必要と思われます。 そこでお伺いします。 立地適正化計画における居住誘導区域の内外にかかわらず、地域の特性を生かしたまちづくりを進める考えについてお聞かせください。 効率的な居住誘導を図るため、周辺自治体と連携した施策に取り組む考えをお聞かせください。 豊かな住まいづくり条例(仮称)において、本市の課題をどのように整理したのか。また、その解決のため、本市ならではの理念をどのように盛り込むのか、お聞かせください。 今後、この条例に基づき、どのような施策に取り組んでいくのか、お聞かせください。 次に、史跡高松城跡の天守復元についてお伺いします。 高松城の天守につきましては、高松城跡が国の史跡に指定され、その復元には国の許可が必要であることから、これまで幾度も文化庁に足を運び、本市におけるその重要性を説いてまいったところであります。 そのような中、国においては、平成29年度の文化審議会の答申を受け、昨年11月に、史跡等における歴史的建造物の復元の在り方に関するワーキンググループが設置されておりましたが、この8月に中間報告が取りまとめられたと聞いております。その取りまとめによれば、歴史的建造物の史跡等における再現が、その本質的価値の理解や往時を体感することに寄与していることはもちろん、まちづくりや観光の面でも重要な役割を担っているものの、復元に合致しない、再現に関する指針がない状態であることから、その許容範囲や内容など、基準を明らかにする必要があるとしております。 今後、その基準が明確化された場合、建築基準法との整合など、さまざまな課題はあるものの、史料に基づいた史跡全体の保存活用計画や整備計画の策定、遺構の保護など、規定された条件をクリアすることができれば、復元的整備が許可される可能性は大いにあると存じます。もし、復元が実現されれば、観光・まちづくりの中心的存在となるだけでなく、市民の心のシンボルとなることは間違いなく、60年にもわたる悲願であった、史跡高松城跡の天守復元が今大きく動き出したと感じております。 私といたしましては、このチャンスを決して逃すことなく、市民とともに力を合わせ、ぜひとも復元をなし遂げていただきたいと思っております。 そこでお伺いします。 天守復元に向けて想定されるスケジュールと、必ず実現するという市長の決意をお聞かせください。 次に、外国人への対応についてお伺いします。 法務省の統計によりますと、仕事や留学などで来日し、県内で暮らす外国人は、平成30年末時点で1万2,597人と過去最高を更新しております。これは、ことし4月からの入管法の改正により、新たな在留資格である特定技能が設けられ、これによる外国人労働者受け入れ制度が開始されたことも影響していると思われ、民間企業のアンケートによれば、県内企業の4割近くが、現在、外国人を雇用している、または過去に雇用していたと回答しております。 現在、企業の人手不足感は、バブル期以来の水準に達していると言われており、本市においても、経営上の重要な課題である労働力確保のため、外国人労働者の受け入れを選択する企業が増加していると思います。そして、我が国において少子・高齢化の進展が避けられない以上、労働力確保のため、今後とも外国人労働者の数はふえ続けることが想定されます。とりわけ、アジア圏の外国人は、超売り手市場の状況にあり、日本国内においても、その争奪戦が始まっています。高松のまちや産業が成長を続けていくには、有能な外国人労働者から生活しやすい、過ごしやすい町として選ばれる、地域社会の環境整備が求められています。 そして、これまで本市において、外国人観光客の受け入れについて議論されることはあっても、外国人労働者への対応について議論されることは、ほとんどありませんでした。一時的な滞在である外国人に対しては、観光の視点で捉えることにより、案内板の多言語化や観光地における通訳ボランティアの配置などで事足りましたが、長期間、継続的に地域で居住することになる労働者に対しては、これを生活者として捉え、日常的な部分でサポートの充実が求められます。 総務省の日本で働く外国人や留学生に対するアンケート調査では、その90%以上が生活環境の改善に公的な支援が必要と回答しており、香川県においても、外国人の生活全般の相談を行う、かがわ外国人相談支援センターを開設するなど、その対応に力を入れております。共生社会の実現を目指す本市としましても、増加する外国人労働者への対応として、さらに踏み込んで何らかの手を打つ必要があるのではないでしょうか。 そこでお伺いします。 本市における外国人へのサポートの充実を図る考えをお聞かせください。 また、本市として、生活者としての外国人へのサポート充実を図るための、庁内横断的な組織を設置する考えをお聞かせください。 次は、観光振興についてお伺いします。 まず、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会を生かした、さらなる観光振興についてです。 来年の東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会開催まで1年を切りました。各種競技のチケット販売も進むなど、全国的に開催に向けた機運が高まっています。地方自治体の立場から見ましても、大会期間中の訪日客増加が地方へ波及することに期待が高まっていますが、その一方で、共同通信社が自治体を対象に行ったアンケートによれば、今回の大会開催が地方の活性化につながらず、東京の開発ばかり進んでいると回答した自治体が全体の3割を超えており、このチャンスを生かすことができなければ、東京と地方の格差がさらに拡大することが懸念されています。 しかし、同じアンケートによれば、オリンピック・パラリンピックにあわせて来日する外国人観光客の地方誘致に関し、何らかの計画づくりが進んでいるとした市区町村は、わずか17%となっており、大都市との格差拡大を懸念しつつも、そのための対策がとれている自治体は、わずかという結果が出ております。 本市は、これまで海外選手らと地域住民が交流するホストタウンの取り組みを進めており、来年8月には、台湾パラリンピック陸上競技の代表チームが、本市で事前合宿することが決定したほか、交流計画に基づき、地元小学生らと選手の交流を図るなど、さまざまな手法で機運の醸成や本市の魅力アピールに努めております。これらの取り組みは評価できますが、単に機運醸成に努めるだけでなく、観光面でプラスとなるよう、大都市を訪れた観光客が本市に興味を持ち、足を延ばそうと考えてくれるような計画的な取り組みが必要と考えます。 また、オリンピック・パラリンピックの開催後も、この機会に生まれた縁を大切に、そして生かし、交流人口の拡大に努めていく必要があります。 そこでお伺いします。 来年4月に、聖火リレーが市内を通過することになっておりますが、それにあわせ、市として、どのようなイベントを実施する予定なのか、お聞かせください。 オリンピック・パラリンピックを機会に、日本を訪れた外国人が本市を訪れたくなるよう、インターネットなどを活用した本市の魅力発信に努める考えをお聞かせください。 オリンピック・パラリンピック開催後も、台湾の選手との交流や、本市を訪れた外国人観光客の再訪につながるような、継続性のある取り組みを行う考えをお聞かせください。 次に、夜型観光の振興についてお伺いします。 地方自治体が観光振興に力を注いでいる目的は、観光客の消費による地元経済の活性化であります。そして、観光客の滞在期間が長ければ長いほど、宿泊費・交通費・飲食費など、その地域で消費する金額は増加し、経済効果が顕著となることから、いかに本市内に観光客を引きとめるかということが、これからの観光政策を考える上で重要となります。 県の調査によれば、平成30年に香川県を訪れた観光客が消費した観光消費額は、前年とほぼ同程度の約1,116億円であるとともに、県外客の半数が県内での滞在日数を1泊2日としており、日帰り客も36.4%に上ることがわりました。 本市では、観光客の滞在時間を延ばし、消費を促すためには、宿泊の促進につながる夜型観光の充実が重要であるとの認識を持ち、昨年11月の知事とのトップ会談においても、県・市で連携して、その推進に努める協議をしたとお伺いしております。 現在、本市において、サンポート高松における瀬戸内サマーナイトフェスティバルや玉藻公園のライトアップなど、さまざまな夜間イベントの取り組みを進めておりますが、大幅な宿泊数の増加にはつながっていないのではないでしょうか。 一方、他の自治体では、星空を観光の目玉としてアピールするなど、地域の特色を生かした動きが盛んになっており、天文台を設置したホテルを整備したり、山上で満天の星を楽しむツアーを企画するなど、いろいろと趣向を凝らして取り組みを進めております。県において、現在、夜型観光の充実に取り組んでいるようですが、本市としましても知恵を絞り、観光客がもう一晩泊まりたくなるような、独自性のある取り組みを推進していただきたいと思います。 そこでお伺いします。 観光消費を促進するため、宿泊客の増加につながるよう、夜型観光の充実を図る考えをお聞かせください。 また、現在、あり方が検討されている高松市民プールを、近年、東京や大阪など、都会でブームとなっている大人が夜遊びを楽しむナイトプールとして活用する考えをお聞かせください。 次に、環境についてお伺いします。 再生可能エネルギーは、太陽光や風力・地熱といった自然界に常に存在するエネルギーで、発電時には温室効果ガスを排出せず、枯渇することもありません。 また、国内で生産可能なことから、エネルギー安全保障にも寄与できることに加え、長期を展望した環境負荷の低減を見据えつつ、活用することができる、重要な低炭素のエネルギー源であります。我が国におきましても、その普及を強力に促進するために、国民負担を伴う特別の措置として、平成24年7月に、再生可能エネルギーの固定価格買取制度が導入され、これにより、発電事業への新規参入者を含めて、再生可能エネルギーに対する投資が呼び込まれ、急速に導入が拡大したところです。 しかし、再生可能エネルギーの導入が進展した一方で、依然として、発電コストは国際水準と比較して十分に低減したとは言えず、国民負担の増大の一因となっており、今後、再生可能エネルギーの導入をさらに拡大していくに当たっては、適正かつ効果的に各電源の新規開発を促進しながら、国民負担を抑制していくことが課題となっております。 このようなことから、国においては、再生可能エネルギーの固定価格買取制度に関する中間整理案をまとめ、家庭や企業の負担を減らすため、事業者が手がける大規模太陽光や風力などの発電を、将来的に対象から外す方針を示し、これまでの政策から転換を図ろうとしております。本市でも、エネルギーの安定的・多面的な確保の視点から、率先して再生エネルギーの活用に取り組んでまいりましたが、国の方針転換を受け、今後、どのような対応を図っていくのでしょうか。 そこでお伺いします。 政府の政策転換により、再生可能エネルギー買い取り制度が縮小となったことへの所見についてお聞かせください。 また、今後、本市において太陽光発電の拡充に努めるのかどうか、お考えをお聞かせください。 次は、福祉についてお伺いします。 まず、若者支援についてです。 内閣府が平成30年度に行った生活状況に関する調査によりますと、満40歳から満64歳までの人口の1.45%に当たる約61万3,000人がひきこもり状態にあると推計しています。 また、ひきこもり状態になってから7年以上の人が半数近くに及ぶこと、初めてひきこもり状態になった年齢は、全年齢層にわたって大きな偏りがなく分布していること、若い世代と異なり、退職したことをきっかけに、ひきこもり状態になった人が多いことなどが明らかになっています。 香川県がことしに入って行った初の実態調査の結果においても、県内でひきこもり状態にある人のうち、40代以上の中高年が半数を超えることや、父や母・兄弟などの同居者がいる人が8割を占めること、さらに、全体の4割近くは行政などの支援を受けていないことが判明するなど、50代の子を80代の親が支える、いわゆる8050問題への対策の重要性が浮かび上がったところです。 このような中、県においては、社会的な孤立を防ぐ取り組みとして、昨年度から、子供・若者が気軽に集うことのできる居場所づくりに取り組む団体に対し助成を行っており、昨年度、市内3カ所で開設され、現在、県内6カ所にまで拡充されております。さらに、社会復帰に向けた就労支援も年齢が上がるほど難しくなることから、国においては、40代などの就職氷河期世代の就労を後押しするため、正規雇用を3年で30万人ふやす目標を掲げるとともに、長年無職だったり、希望がかなわず非正規雇用で働いたりしている就職氷河期世代の人を対象とする年齢条件を掲げた採用活動を、ハローワークを通じた求人に限り、例外として認める方針を決定したところです。 このように、国・県ともに若者支援に取り組んでいるところですが、本市においても高松市若者支援協議会を設置し、ひきこもりやニートなどの社会生活に問題を抱える若者や、その家族に対する支援施策の検討、協議会を構成する関係機関相互のネットワークづくりを行っており、昨年度には、本人や家族が相談できる支援機関を掲載した、たかまつ若者支援サポートブックを作成・配布したと仄聞しております。 しかし、自治体のひきこもり対策の多くが、39歳未満の人を対象としたものであることから、本市として、40代以上の支援にも積極的に取り組んでいく必要があるのではないでしょうか。 そこでお伺いします。 現状では、支援の対象外となる40代以上の人も含め、本市としてどのような支援に取り組んでいくのか、考えをお聞かせください。 また、就職支援のため、本市正規職員として就職氷河期世代の人を雇用する考えについてお聞かせください。 次に、高齢者の移動支援についてお伺いします。 我が国における70歳以上の運転免許保有者は、平成元年の約109万人から平成30年には約1,130万人と、30年間で約10倍となっており、これに伴い、高齢運転者による事故も相次いで発生してます。 このようなことから、運転免許保有者の超高齢化を前提とした交通事故を防ぐための取り組みが、喫緊の課題となっており、運転に不安を覚える高齢者等への支援として、運転免許証の自主返納者への支援策の周知や相談体制の整備などを進めるほか、高齢者が自動車に頼らずに日常生活を円滑に営むことができるよう、移動を支える施策を充実することが重要であります。 本市におきましては、高齢者などが円滑かつ安全にバスを利用できるようにするために、公共交通事業者に対してノンステップバス購入に対する補助を行っているほか、公共交通空白地域等における地域住民が主導して運営するコミュニティーバス等の導入・検討に対する支援として、コミュニティバス等導入検討支援補助制度も設けているところです。 今後、少子・高齢化の進展による家族構成や地域でのつながりの変化などにより、公共交通機関の利便性の低い地域だけでなく、中心市街地においても、今後、高齢者を含む移動困難者が増加することを踏まえると、地域の特色に応じた事業の実施が必要です。本市では、地域コミュニティ協議会単位で立ち上げております地域福祉ネットワーク会議において、地域住民が主体となって、地域のニーズ・資源の把握、地域課題の抽出を行い、その解決に向けた検討協議が行われており、中には、高齢者の移動・外出支援に取り組んでいる地域もあると聞いております。例えば、東植田地区や十河地区においては、社会福祉法人の協力を得て、自宅からスーパーまでの送迎を行っているほか、我が一宮地区においては、青パトの遊休時間を利用した、買い物や通院等の外出支援などの仕組みづくりの検討を始めているなど、それぞれの地域の特色に応じた事業の実施・検討に取り組んでいます。 しかしながら、このような高齢者の移動・外出支援を地域住民が主体となって行うためには、地域にとって負担の少ない制度であることやコミュニティーバスとの関係、道路運送法上の問題など、さまざまな課題があります。持続可能な取り組みとするためには、地域の力だけでは難しく、行政の支援が必要と考えます。 そこでお伺いします。 高齢者の安全運転を支える取り組みを充実させる考えについてお聞かせください。 本市としても、地域が主体となった高齢者の移動・外出支援に対する支援に取り組む考えについてお聞かせください。 次に、教育についてお伺いします。 まず、学力テストについてです。 義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から、全国的な児童生徒の学力や学習状況を把握・分析するために、平成19年度から毎年、小学6年と中学3年を対象に行われている全国学力・学習状況調査の結果が、先日公表されました。 これによりますと、国語と算数・数学は、小中とも従来どおり知識活用が苦手であるほか、特に、今回初めて実施されました中学3年の英語では、読む・聞く・書く・話すの4技能のうち、書く・話すで平均正答率が低く、自分の考えや意見を表現する力の不足が、改めて浮き彫りになりました。県内の小中学生の状況は、小学生では、国語・算数ともに全国平均を上回っているものの、中学生では、国語・数学は全国平均と同水準、英語は全国平均に届いておりません。特に、英語については、聞く・読む・書くの三つの領域全てにおいて全国平均を下回り、中でも、聞くでは、日常的な話題の情報を正確に聞き取る問題などにおいて下回っております。 また、同時に実施されたアンケートによりますと、英語の勉強は好きですか、英語の勉強はよくわかりますかの質問に、肯定的に回答した生徒の割合は、全国平均を下回る一方で、英語の勉強は大切だと思いますか、英語の授業で学習したことは将来、社会に出たときに役に立つと思いますかとの質問に対し、全国平均を下回っているものの、8割以上の生徒が肯定的に回答していることから、子供たちに使える英語を身につけさせるためには、学校現場において授業を改善し、生徒の意欲を高める工夫が必要と思われます。 さらに、同じアンケートでは、自分にはよいところがあると思いますかとの質問に、当てはまると回答した児童生徒の割合は、小学校・中学校ともに全国平均を下回っており、自己肯定感が低い傾向が何年もずっと続いています。学習指導要領においては、小学校における教科としての外国語の導入など、全ての子供に、これからの時代に求められる資質・能力を育成することを目指して、主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善を推進することが求められています。 子供たちが自信を持って成長し、よりよい社会の担い手となるよう、子供たちの自己肯定感を育むような取り組みを進めていく必要があります。 そこでお伺いします。 英語の学力向上のため、本市独自の英語教育の充実に取り組む考えについてお聞かせください。 また、子供の自己肯定感を育むための取り組みを推進していく考えについてお伺いします。 最後に、職業体験についてお伺いします。 旭川市や苫小牧市・函館市・釧路市など、北海道の複数の自治体においては、子供たちを対象に、それぞれの自治体につくられた仮想上の町──キッズタウンの中で、東京都や西宮市にある子供向けの職業体験型テーマパークのキッザニアをイメージした取り組みを、民間会社との共同開催により、毎年開催しています。この事業に参加する子供たちは、キッズタウンを構成する各店舗で、さまざまな職業を体験することができ、就業時間に応じて疑似通貨を給料として受け取ることができます。 さらに、この通貨を使用して、キッズタウン内の店舗で買い物をすることが可能で、就業の喜びや社会システムを学ぶことができる内容となっており、毎年、定員を超える応募があるなど、子供や保護者の関心も高い事業であると伺っています。 また、事業の運営に当たっては、事業趣旨に賛同した20から30の地元企業・団体が出店に伴う経費を負担するとともに、当日の運営スタッフとしても参加するほか、高校生や大学生のボランティアスタッフの協力も得て実施しております。 このような取り組みは、子供たちが職業体験などを通じて社会の仕組みを学ぶ機会となるだけでなく、地域の産業や、そこに働く人々のすばらしさや大切さを発見することにより、地元に対する愛着や誇りを持つことにもつながるほか、官と民が一体となって、地域全体で子供たちを育む機運が高まることや、企業にとっても地域に貢献することができるなど、さまざまなメリットがあると思います。 香川県におきましても、関係団体や専門学校が主体となって、子供たちがさまざまな職業を体感するイベントが開催されており、地元の魅力を再発見してもらうためにも有意義な取り組みであることから、本市としても実施を検討すべきではないでしょうか。 そこでお伺いします。 本市においても、ふるさと高松についての理解を深め、郷土愛が育まれるよう、地元企業と連携した職業体験のイベントを行う考えについてお聞かせください。 以上で代表質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。 ○議長(小比賀勝博君) ただいまの20番議員の代表質問に対する当局の答弁を求めます。市長大西秀人君。  〔市長(大西秀人君)登壇〕 ◎市長(大西秀人君) 20番三笠議員の代表質問にお答え申し上げます。 まず、政治姿勢のうち、国土交通省出身の歴代副市長の功績を、どう評価しているのかについてであります。 私が、平成19年5月に高松市長に就任した際、人口42万を擁する中核市として、さまざまな政策課題に対応するため、市議会の御理解をいただき、副市長の定数を1人から2人とし、そのうちの一人は、中央省庁の職員など、外部から登用したいと考え、19年7月に、初めて国土交通省から金井氏を副市長として招聘いたしました。 金井副市長につきましては、都市計画マスタープランや総合都市交通計画の策定、病院の移転に関する基本構想の策定などに御尽力いただき、また、23年に就任されました勝又副市長につきましては、公共交通利用促進施策の推進や国際会議の開催などによる観光客誘致、さらには、高松市創造都市推進ビジョン等の策定といった、文化芸術の振興に特に力を注いでいただきました。 そして、ことし6月に退任されました松下副市長につきましては、屋島の活性化、共生社会ホストタウンの登録、立地適正化計画の策定、琴電新駅整備などに取り組み、創造拠点都市・高松のさらなる発展に、大きく貢献いただいたところでございます。 私といたしましては、国土交通省出身の3人の副市長には、これまで培った経験や専門的な知識を生かして、それぞれの任期における懸案事項等に的確に対応いただき、本市の発展や持続可能なまちづくりに多大な貢献をいただいたものと存じており、感謝申し上げますとともに、その実績を高く評価しているところでございます。 次に、国土交通省から新たに迎えた田村副市長の手腕・人脈、そして、今までの経歴をどのように市政に生かされることを期待しているのかについてであります。 このたび、松下副市長の退任に伴う後任の副市長人事に当たりまして、本市が抱える懸案事項等を踏まえ、国との間で情報収集や連絡調整を行いながら、新しいまちづくりを進めていくためには、引き続き、旧建設省と旧運輸省等が統合し、道路・河川・都市政策や交通政策等、社会インフラ関係を初め、極めて広範な行政分野を所管する国土交通省から迎えることが最適ではないかと判断をした上で、人選を行ったものでございます。 私といたしましては、田村副市長には、これまで培ってこられた都市政策等の分野での行政経験や人脈を生かし、コンパクト・プラス・ネットワークのまちづくりといった、本格化する人口減少、少子・超高齢社会への対応や頻発する自然災害に備えた、安心・安全のまちづくりを初めとした各種施策に、その専門的知識や能力を十分に発揮されるとともに、創造拠点都市・高松の魅力発信といった点におきましても、尽力いただくことを大いに期待しているところでございます。 次に、広域連携のうち、瀬戸・高松広域定住自立圏、及び瀬戸・高松広域連携中枢都市圏構想について、どのような成果が得られたのかについてであります。 本市では、3市5町で瀬戸・高松広域定住自立圏を形成し、大都市圏への人口流出に歯どめをかけるとともに、圏域に必要な生活機能の確保に取り組んでまいりましたが、人口減少社会にあっても、一定の人口を維持しながら活力を失わない、より強固な圏域を形成することを目的として、平成28年に瀬戸・高松広域連携中枢都市圏へと発展的に移行を図ったものでございます。 この圏域での具体的な取り組みを示した瀬戸・高松広域連携中枢都市圏ビジョンでは、定住自立圏において取り組んでおりました生活関連機能サービスの分野に加え、経済成長の牽引や、高次の都市機能の集積・強化の分野における取り組みも新たに掲載をし、戦略的にこれを進めているところでございます。 これまでの取り組みの成果といたしましては、本市と連携市町間で評価に温度差がある取り組みも一部ございますが、連携市町から、継続的に高い評価をいただいているものとして、生活関連機能サービスにおきましては、救急艇の活用による島嶼部における救急搬送体制の強化や移動図書館巡回事業・介護認定審査会事業などがございます。 また、経済成長の牽引の分野では、文化芸術鑑賞等の機会の提供や、産学金官民一体となった懇談会の設置・運営等といった事業が、高次の都市機能の集積・強化の分野では、ICカードを利用した公共交通利用促進事業などが高い評価となっているものでございます。 このようなことから、私といたしましては、圏域を構成する市町の連携を一層深化させていく土台づくりが着実に進んでいるものと受けとめております。 次に、本市だけでなく、圏域での人口維持に向けた連携事業に取り組む考えについてであります。 本圏域におきましては、昨年1年間で2,900人の人口減少となるなど、本格的な人口減少、少子・超高齢社会の局面を迎えているものと存じます。 そのため、圏域への移住・定住を促進する瀬戸・たかまつ移住&キャリアサポートセンターを東京都内に開設するなど、圏域内の人口増に向けた取り組みを強化しているところでございます。また、外部の有識者等で構成する、瀬戸・高松広域連携中枢都市圏ビジョン懇談会の部会として設置しました圏域若者会議では、経済成長の牽引に関する取り組みについて、いろいろとアイデアをいただいたところでございます。 私といたしましては、圏域での人口を維持するためには、若者を初めとする多くの人材が集まり、地域経済が好循環する持続可能な町としていくことが極めて重要であると存じておりますことから、特に、経済成長の牽引や高次都市機能の集積・強化の分野につきまして、積極的に取り組んでまいりたいと存じます。 次に、将来を見据え、広域連携の取り組みを、より一層拡充・強化する考えについてであります。 現在、連携中枢都市圏ビジョンに基づき、幅広い層が集まる場づくりや、データ利活用型スマートシティ推進事業などの新規事業を含む72の事業に取り組んでおり、その推進に当たりましては、連携市町の首長・議長で構成する瀬戸・高松広域連携中枢都市圏推進委員会などを通じ、連携市町が意思疎通を図るほか、ビジョン懇談会からも御意見をいただき、事業の追加や見直しを行っているところでございます。 私といたしましては、圏域の目指すべき将来像「輝きと活力にあふれ 島、街、里が織りなす 創造性豊かな交流圏域」の実現に向けまして、今後とも連携事業の評価・検証を行うことに加え、圏域市町との確かな信頼関係のもと、連携中枢都市圏としての牽引役を果たすことで、広域連携の取り組みのより一層の拡充強化に努めてまいりたいと存じます。 次に、市民と市長との意見交換会のうち、今回の意見交換会では、どのような意見が出たのか。また、それらの意見に対する所見についてであります。 私は、さきの高松市長選挙において再選を果たし、引き続き、高松市長として4期目の任期に臨むに当たり、いま一度、市民の皆様からの率直な声をお聞きするため、市民と市長との意見交換会を開催したところでございます。 まず、7月29日には、自由参加の意見交換会を、そして、その後、地域コミュニティ協議会などで活動している子育て世代を中心とした方との地域での意見交換会を7回開催をし、計8回で約100人の市民の皆様に御参加をいただいたところでございます。参加された皆様からは、意見交換会の二つのテーマである地域共生社会の実現、及びコンパクト・プラス・ネットワークのまちづくりに関連する自治会の加入率の低下や、地域を支える人材確保に関する御意見、公共交通がなくなることへの危機感や公共交通の利便性に関する御要望などのほか、子育て支援や学校教育・観光振興など、市政の各般にわたる貴重な御意見をお聞きすることができました。 私といたしましては、これも市民の皆様方の、本市まちづくりに対する関心や問題意識の高さであると改めて感じますとともに、期待のあらわれでもあると受けとめており、大変有意義な意見交換が行えたものと存じております。 次に、市民からの意見を、まちづくりにどのように反映させていくのかについてであります。 今回、市民の皆様からいただいた貴重な御意見等につきましては、今後、開催を予定しております学生との意見交換会での若者の声も含め、現在、本市が取り組んでおります第2期たかまつ創生総合戦略(仮称)や、第3期まちづくり戦略計画の策定に当たって十分役立てていくとともに、持続可能なまちづくりに向け、戦略的かつ計画的に進めている本市の各般の施策に適切に反映させてまいりたいと存じます。 次に、行財政問題のうち、平成30年度一般会計決算を受けての所見についてであります。 平成30年度は、私の3期目のマニフェストの最終年となる年であり、第6次高松市総合計画で掲げている目指すべき都市像の実現に向け、各種施策・事業の着実な推進と充実を図る一方で、大型建設事業の進捗がピークを超えたことや、さらなる効率化に努めたこと等により、決算規模は歳入歳出ともに、24年度以来、6年ぶりの減少となったものでございます。 その概況でございますが、歳入から歳出を差し引いた形式収支は約34億8,000万円で、そのうち翌年度への繰越財源を除いた、いわゆる実質収支は約20億8,000万円となっております。 また、臨時財政対策債を除く市債残高が4年連続の増加となるなど、依然として厳しい財政状況ではございますが、プライマリーバランスは3年ぶりの黒字となり、まちづくり戦略計画登載事業の着実な進捗も図られたものと存じております。 しかしながら、経常収支比率が上昇するなどの決算状況に加え、今後も大型建設事業が控えていること、また、地方交付税の合併に伴う特例的措置の段階的な縮小などを勘案いたしますと、今後の財政状況は、さらに厳しくなるものと危機感を抱いております。 次に、令和2年度予算編成に対する基本的な考えについてであります。 令和元年度当初予算及び6月補正予算におきましては、合計28億円の一般財源不足額を財政調整基金の取り崩しにより対応せざるを得ない状況でございます。 今後におきましても、会計年度任用職員制度の導入、子ども・子育て支援施策の充実のほか、医療・介護などの社会保障給付、老朽化施設の更新や修繕経費の増加など、多額の財政負担が避けられない状況となっております。このような厳しい財政状況を踏まえ、今後の財政運営におきましては、活用すべき財源の確保に徹することに加え、可能な限り財政調整基金の取り崩しに頼らず、限られた財源の中で施策を重点化する必要があるものと存じております。 このような考え方を基本に置きながら、令和2年度の予算編成に当たりましては、国の地方財政対策や税収等の状況を見きわめつつ、各般の施策・事業につきましては、目標達成状況や評価結果を踏まえ、これまで以上に大幅な事務事業の見直しを行うとともに、さらなる歳入確保についても推進してまいりたいと存じます。 今後におきましても、市民の皆様の理解と協力が得られるよう、情報公開の徹底と説明責任の全うに努めるとともに、改めて、中期財政収支見通しを策定した上で、将来にわたり持続可能な財政運営に、鋭意、取り組んでまいりたいと存じます。 次に、財源の確保のうち、収納対策の取り組み結果に対する所見についてであります。 本市では、これまで口座振替やコンビニ収納の促進、納税案内センターによる市税滞納者への納付勧奨の実施、債権回収室の設置による適切な滞納整理への取り組みなど、未収債権の縮減と収納率の向上に取り組んできたところでございます。その結果、市税と税外債権を合わせた本市全体の収入未済額は、過去5年間で平成26年度の55億6,000万円から30年度は48億3,000万円へと7億3,000万円減少し、収納率は26年度の93.6%から30年度は94.6%へと1.0辻上昇するなど、着実に改善されているものと存じます。 また、今後、市税等の収納率向上に向けて、どのように取り組むのかについてであります。 私といたしましては、市民負担の公平性と財源の確保は重要であるものと認識しておりますことから、今後とも全庁的な体制のもと、平成31年3月に策定した第3次高松市債権の適正管理方針に基づき、取り組んでまいりたいと存じます。具体的には、本年4月からスマートフォン収納を開始し、自主納付手段を拡充したほか、納税案内センターによる納付勧奨について、これまで7月から3月にかけて、現年度分の滞納者に対して早期の納期勧奨を実施してきましたが、来年度からは、新たに4月から6月にかけて、過年度分の滞納者に対する納付勧奨も実施することといたしております。 また、債権回収室による継続的な助言・指導や収納担当職員研修会の開催による人材の育成、適切な滞納整理などの強化により、本市債権の収納率のさらなる向上に取り組んでまいりたいと存じます。 次に、財源確保に向け、規模を問わず、施設にネーミングライツを積極的に導入する考えについてであります。 公共施設等を適切に管理・運営するための財源確保策の一つとなるネーミングライツは、本市では平成28年度に屋島競技場に導入以降は、具体的な個別施設の選定に至っていない状況でございましたが、御紹介いただきましたとおり、今月2日から、高松市高松駅前広場公衆便所に係るネーミングライツ事業者を公募しているところでございます。 厳しい財政状況が続く本市におきまして、ネーミングライツの導入推進は、民間活力を利用した有効な自主財源確保策となるものと存じており、先日開催されました高松市自主財源検討委員会におきましても、委員から前向きな御意見を頂戴したところでございます。 このようなことから、現在、導入可能な施設の洗い出し等を行っているところでございまして、ネーミングライツの対価を役務提供に求めるような募集方法も含め、導入推進に向けて積極的に検討を進めてまいりたいと存じます。 次に、高松市自主財源検討委員会の検討状況についてであります。 自主財源検討委員会は、自主財源の充実強化を図ることにより、現下の厳しい財政状況を改善していくことを目的として設置したものでございまして、去る9月2日に、第2回の委員会を開催したところでございます。現在、さまざまな自主財源確保の可能性について議論をいただいている段階でございまして、今後、より具体的な方策について検討が進められていくものと存じます。 次に、マニフェストに掲げられている、都市計画税や法定外目的税・超過課税の導入についての考えであります。 中核市58市中、都市計画税を導入していないのは、本市を含む7市のみであり、その7市のうち4市におきましては、固定資産税の超過課税を導入しており、本市を含む3市のみが、いずれも導入していない状況でございます。 また、都市計画税を導入している51市の都市計画税の平均税収は、年約40億円でございます。このように、法定目的税である都市計画税や、そのかわりとなる固定資産税の超過課税を導入していないことが、本市の歳入が同規模の他都市に比べ、相対的に低くなっている一因でもあると存じます。 また、先ほども申し上げましたとおり、歳入におきましては、地方交付税の合併に伴う特例的措置の段階的な縮小や、歳出におきましても、多額の財政負担が避けられない状況となっております。このような状況から、今後、持続可能な財政運営を行っていくためには、自主財源の充実と安定的な確保が必要であり、私のマニフェスト2019におきまして、都市計画税や法定外目的税・超過課税の導入を検討することについてお示しをしたものでございます。現在、これらも含め、さまざまな自主財源確保策を庁内関係部局で検討しておりますほか、自主財源検討委員会でも検討をいただいているところでございます。 私といたしましては、現在の財政状況や今後の見通し、さらには、他の中核市の状況を勘案いたしますと、新たな自主財源の確保策が必要であると存じておりまして、今後、委員会からいただきました御意見を参考に、市議会や市民の皆様の御意見を伺いながら、自主財源の具体的な充実・強化策につきまして取りまとめてまいりたいと存じます。 次に、スマイルプランのうち、1年を経過しての目標指標の達成状況を踏まえた所見についてであります。 昨年度から本市で取り組んでおります働き方改革3か年重点取組、通称スマイルプランの平成30年度の目標指標の達成状況でございますが、月80時間以上の時間外勤務を行う職員数は、ゼロ人の目標に対し、延べ221人でございました。また、年間360時間を超える時間外勤務を行う職員の割合は、5%以内の目標に対し6.5%、1人当たりの有給休暇取得日数は、年間15日以上の目標に対し13日という結果でございまして、いずれの指標も目標には達していない状況にございます。 このため、目標年度であります来年度に向けまして、ICTの活用等による業務改善やノー残業デーの徹底など、スマイルプランの取り組み強化を、一層図る必要があるものと存じているところでございます。 一方、スマイルプランの取り組みの一つであります各職場で業務改善について話し合うカエル会の開催等によりまして、少しずつではございますが、職員の中に働き方改革の意識は芽生え、職場風土の変化が見受けられるなど、取り組みの効果もあらわれてきているものと存じているところでございます。 次に、今後、どのように働き方改革に取り組むのかについてであります。 まず、長時間労働の是正におきましては、月80時間以上の時間外勤務を行う職員数をゼロ人とする目標達成に向け、昨年度に、月80時間を超える時間外勤務を行った職員やその所属長に対し、先般、その要因をヒアリングし、業務改善や人員配置等、目標達成に向けた個別具体の対応策を検討しているところでございます。 また、スマイルプランの中で最も重要である業務改善の一層の推進を図るため、職員向け業務改善研修を、より現場に即した内容に改善して実施するほか、本年6月に、庁内に業務改革推進プロジェクトチームを設置し、ICTを活用した各職場の業務効率化の検討も進めているところでございます。 これらの取り組みにより、スマイルプランの目標が達成されることで、職員のワーク・ライフ・バランスが図られ、個々の能力が最大限発揮できる職場環境となるよう、引き続き、働き方改革に、鋭意、取り組んでまいりたいと存じます。 次に、まちづくりのうち、高松市立地適正化計画に関し、居住誘導区域の内外にかかわらず、地域の特性を生かしたまちづくりを進める考えについてであります。 本市では、立地適正化計画に基づき、基本的に公共交通結節拠点である鉄道駅を各拠点の都市機能誘導区域及び、それを取り囲む居住誘導区域の中心として位置づけ、公共交通を基軸として市域全域の交流が促進され、活力あふれるまちづくりの実現を目指しているところでございます。また、居住誘導区域外におきましても、各集約拠点等の都市機能の利便性が享受でき、公共交通網など生活に必要な基盤を維持することで、自然と調和した豊かさを感じられ、暮らしやすいまちづくりに配慮することといたしております。 このため、去る6月に取りまとめた都市構造の集約化に向けた総合的な施策パッケージにおきましては、市街地拡大抑制に係る土地利用規制のほか、溢水への対応など、居住誘導区域外における住環境の維持向上に資する事業なども含めて17の施策・事業をお示ししたところでございます。 本市といたしましては、今後とも住民の目線に立ち、居住誘導区域の内外にかかわらず、効果的な施策・事業を展開し、それぞれの地域の特性を生かした持続可能なまちづくりに取り組んでまいりたいと存じます。 次に、効率的な居住誘導を図るため、周辺自治体と連携した施策に取り組む考えについてであります。 本市は、昨年12月に、県内で唯一、中枢中核都市として選定され、その役割として、広域的な事業活動、住民生活等の基盤、都市の集積性・自立性等を備えることが求められております。 こうした中、現在、本市では、近隣の2市5町とともに、瀬戸・高松広域連携中枢都市圏を形成し、72の連携事業に取り組んでいるところでございまして、圏域における人口減少問題の克服や真の地方創生を実現するため、その牽引役となり重要な役割を果たしていく必要がございます。 このため、広域行政の充実はもとより、公共交通ネットワークの再編を初め、UIJターンによる移住・定住の促進など、居住人口の維持・誘導施策につきましても、周辺自治体との連携をさらに強化しながら、より広域的な視点から取り組む意識を持って、これを推進してまいりたいと存じます。 次に、豊かな住まいづくり条例(仮称)において、課題をどのように整理したのかについてであります。 本市では、平成16年の線引き廃止以降、用途地域縁辺部における住宅開発や用途地域内の新築マンションなどが、ここ数年、増加傾向にあるなど、住宅戸数が世帯数を上回っている状況にございます。 また、今後の人口減少社会の到来を考え合わせますと、空き家や空き地が生じる、いわゆる都市のスポンジ化の進行が懸念されているところでございます。こうした本市の住宅動向の現状や課題を整理し、都市構造の集約化に向けた空き家等の利用促進など、総合的な住宅政策の推進が必要であるとの認識のもと、本年度内を目途に、その基本指針となる条例を制定しようとするものでございます。 また、その解決のため、本市ならではの理念をどのように盛り込むのかについてであります。 今後、空き家等の既存ストックを有効に活用した総合的な住宅政策に取り組んでいくためには、住宅にかかわる市民・事業者・行政が、コンパクトで持続可能なまちづくりに向けて、住宅政策の方向性を共有して取り組む必要がございます。 また、都市構造の集約化に向けた住宅にかかわる、さらなる効果的な施策の推進とともに、コミュニティーの再生や子育て支援を初め、都市の景観や緑の保全など、本市の他の重要施策と連携をした良好な住環境の形成に取り組めるよう、関係条文に、これらの理念を盛り込み、立地適正化計画を具体化する条例として制定をしてまいりたいと存じます。 次に、今後、同条例に基づき、どのような施策に取り組んでいくのかについてであります。 本市では、居住誘導区域への居住を緩やかに誘導していく支援制度の一つとして、住宅ローンの軽減策の運用を本年10月から予定をしているところでございます。 今後におきましても、条例の制定と合わせて、立地適正化計画に基づく都市構造の集約化の観点から、空き家等の流通を後押しする住宅診断やリフォームに対する助成など、新たな施策の展開につきましても、鋭意、検討を進めてまいりたいと存じます。 次に、史跡高松城跡の天守復元に向けて想定されるスケジュールと、必ず実現するという決意についてであります。 本市では、これまで天守復元に向けて継続的な資料調査や発掘調査などを行い、その成果をもとに天守復元案を作成したほか、内部構造を確定できる資料を募る懸賞事業などの取り組みを行ってまいりましたが、資料不足を理由に、文化庁に復元が認められていない状況にございます。 このような中、去る8月9日、文化庁から、天守等の復元の在り方についての取りまとめが公表され、その中で、高松城天守のように、必ずしも資料が十分ではない歴史的建造物の復元的整備についても、基準を設けた上で許容する方向性が出されております。その条件や基準は、いまだ明確ではございませんが、ようやく要望の基準の緩和による復元の可能性が見えてきたものと認識しているところでございます。天守復元に向けましては、取りまとめに掲げられた幾つかの検討すべき課題を踏まえ、今後、本年度から作成に着手しております史跡全体の保存活用計画につきまして、文化庁と十分協議を行いながら、天守復元の方向性についても計画に位置づけてまいりたいと存じております。 また、歴史的建造物を再現する際には、遺構の保護が前提となりますことから、それを踏まえた整備手法につきましても、今後、十分に検討していく必要があるものと存じております。 いずれにいたしましても、公表された取りまとめが、現時点では審議会における正式な決定ではなく、基準等もいまだ示されてはおりませんことから、具体的なスケジュールはお示しできませんが、本市としましては、その内容を踏まえ、天守復元に向けての諸課題を検討してまいりたいと存じます。 私といたしましては、本市の歴史を後世に伝える意味で、意義のある高松城の天守復元は、本市の活性化を図る上でも観光面を初め、さまざまな波及効果が期待できるものでありますことから、今後とも、天守復元に向けた取り組みをより一層進めてまいりたいと存じます。 次に、外国人への対応のうち、外国人へのサポートの充実を図る考えについてであります。 本年4月の出入国管理法の改正に伴い、外国人材を活用する市内企業の増加や、これに伴う外国人労働者のさらなる増加が予想されているところでございます。外国人労働者が生活者として地域で共生するためには、家族を含め、言葉の問題や生活習慣の問題などがあり、これを解決するためには、受け入れ企業のサポートはもとより、地域コミュニティーとの連携や行政のサポートが必要であるものと存じております。 このため、本市におきましては、外国人住民等へのサポートとして、これまで英語・中国語に専門性を有する職員が、幅広く行政資料の翻訳や窓口における通訳支援を行っているほか、本年7月からは、多言語翻訳の可能な音声リアル文字化アプリを搭載したタブレットを窓口に配置をし、外国人住民等とのコミュニケーションの促進を図っているところでございます。 また、県では、御質問にもございましたように、かがわ外国人相談センターを設置し、多種多様な相談を受け付ける体制を整備するとともに、本年5月には、県が中心となり、県内市町が参画して香川国際化推進会議が設置され、多文化共生の地域づくりなどについて協議していくことを確認したところでございます。 私といたしましては、この相談窓口や推進会議等を通じて関係機関と連携を密にしながら、今後、外国人労働者を含め、外国人住民が本市で生活していく中で顕在化してくる、さまざまな課題を把握し、適切な対応に努めることで、外国人住民への必要な支援・サポートの充実を図ってまいりたいと存じます。 次に、生活者としての外国人へのサポート充実を図るための、庁内横断的な組織を設置する考えについてであります。 外国人住民にとって生活しやすい環境を整えるには、福祉・子育て・教育など、生活者の立場からの多岐・多分野にわたる視点からの施策を多面的かつ総合的に展開していくことが必要になるものと存じます。 加えて、東南アジアを初めとした外国人労働者の増加に伴う多文化の拡大傾向も相まって、本市におきましても、外国人住民からの相談やニーズが多様化することが想定されているところでございます。 私といたしましては、今後、本市における効果的な多文化共生施策の実施のためには、庁内で統制のとれた施策展開の手法など、種々、研究する必要があるものと認識いたしているところでございます。このような観点から、御提案の、庁内横断的な組織の設置に関しましては、本市の課題等を解決する有効な手段の一つであると存じますことから、今後、他都市の取り組み状況も参考にしながら研究してまいりたいと存じます。 次に、観光振興のうち、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に関し、来年4月の聖火リレーの市内通過にあわせ、どのようなイベントを実施する予定なのかについてであります。 本年6月1日、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会から発表されました聖火リレーのルート概要におきましては、県内8市9町を2日間かけて通過する中で、本市は、県内での最終日となる令和2年4月19日に通過することが決定されているところでございます。このたびの聖火リレーは、夏季大会として実に56年ぶりとなりますことから、多くの市民の皆様に聖火を観覧いただけるとともに、本市の魅力を発信できる、またとない機会であるものと存じております。 このため本市におきましては、県内での聖火リレーの最終地であります玉藻公園の桜の馬場におきまして、聖火の到着を祝うイベント、いわゆるセレブレーションを開催することを決定いたしております。 私といたしましては、このセレブレーションが長く人々の記憶に残るとともに、本市の文化や芸術・伝統などの高松らしさを世界に向けて広く発信でき、また、オリンピック・パラリンピックへの市民のさらなる機運の盛り上がりが図られるようなものとなりますよう、大会組織委員会や聖火リレー県実行委員会等の関係機関と連携をし、準備を進めてまいりたいと存じます。 次に、同大会を機会に、日本を訪れた外国人が本市を訪れたくなるよう、インターネットなどを活用した魅力発信に努める考えについてであります。 本市では、外国人向けの多言語観光情報サイト──Experience Takamatsuにおいて、本市へのアクセス・自然・歴史などの基本情報を初め、観光・文化芸術関係のニュース・イベント情報や体験メニュー・地元グルメなどの旬の情報に加え、魅力あるさまざまな観光スポットの写真も掲載をいたしております。 また、訪日外国人観光客向けウエブマガジン──MATCHAに、サンポートエリアを含む中心市街地や塩江温泉郷などを紹介する記事を掲出し、本市ならではの多彩な魅力について、世界に向けた情報発信に努めているところでございます。 さらには、本市の代表的観光地である屋島の魅力を発信するウエブサイト──屋島ナビにつきましても、多言語化やコンテンツの充実に向けて取り組んでいるところでございます。 私といたしましては、オリンピック・パラリンピックを機会に、日本を訪れた外国人が本市を訪れたくなるよう、今後ともExperience Takamatsuなどの情報発信ツールを最大限に活用し、本市の魅力を国内外に向けて十分にPRできるよう、より効果的な情報発信に努めてまいりたいと存じます。 次に、同大会開催後も、台湾の選手との交流や本市を訪れた外国人観光客の再訪につながるような、継続性のある取り組みを行う考えについてであります。 本市は、オリンピック・パラリンピックの開催に向け、台湾を対象としたホストタウン及び共生社会ホストタウンとなっておりますことから、これまで本市で開催された大会への台湾パラ選手の参加や地元小学生との交流事業など、スポーツを通じて、異文化と触れ合う取り組みを行ってきたところでございます。 また、本市では、訪れた外国人観光客に、より深く本市の魅力を知っていただくため、県内の大学生を構成メンバーとして、JR高松駅等での外国人観光客へ道案内などを行う高松外国人観光客お助け隊を発足し、外国人観光客が多いと見込まれるトライアスロン等の国際的なスポーツ大会や、クルーズ客船寄港時の対応等も行うなど、訪れた外国人観光客が安心して快適に過ごせるよう、また、本市へのリピーターとなっていただけるよう、受け入れ環境整備にも努めているところでございます。 私といたしましては、オリンピック・パラリンピックの開催を契機とした、これらの取り組みが一過性のものとならないよう、今後とも関係団体と協力を図りながら、台湾選手との交流事業の促進や、外国人観光客の再訪に向けて継続的に取り組んでまいりたいと存じます。 次に、夜型観光のうち、観光消費を促進するため、宿泊客の増加につながるよう、夜型観光の充実を図る考えについてであります。 御質問にございましたように、観光消費額の大きい宿泊客の増加や滞在日数の延長は、本市の地域経済活性化に資するものであると存じます。 現在、本市の夜型観光の充実に向けた取り組みといたしましては、高松城跡玉藻公園において、他のイベントにあわせて夜間無料開放及びライトアップ等を実施しているほか、屋島山上におきまして天空ミュージックや、ちょうちんカフェを実施しております。また、サンポートにおきまして、県と共催で瀬戸内サマーナイトフェスティバルを実施し、瀬戸内の夕景・夜景と音楽・大道芸や食のブースなどによる、にぎわい創出を図っているところでございます。 私といたしましては、今後、これまでの取り組みを推進するとともに、地元企業とも連携を図りながら、本市ならではの魅力や特色を生かした、新たな夜型観光コンテンツの造成等に取り組むことで、宿泊客の増加を図り、地域経済の活性化につながるよう、積極的に夜型観光の充実に努めてまいりたいと存じます。 次に、現在、あり方が検討されている高松市民プールを、ナイトプールとして活用する考えについてであります。 お尋ねの、ナイトプールは、ライトアップされた空間で、日中とは異なる雰囲気を味わうことができますことから、泳ぎを主な目的とせず、若者層に人気のレジャースポットとして、夜間観光の資源の一つになっているものと存じます。 現在、市民プールでは、7月から8月までの営業期間中において、18時の営業時間終了後、19時半まで水泳教室を開催しているほか、瀬戸内国際芸術祭のアート鑑賞や高松まつり花火大会の観覧場として、夜間も臨時的に活用しておりますが、いわゆるナイトプールとしての営業までは行っていない状況にございます。 いずれにいたしましても、本市では、市民プールのあり方につきまして、施設の現在の状況・コスト等を含めて総合的に検討し、今年度中を目途に、その方向性を決定していくこととしておりますことから、御提言の内容につきましては、趣旨も含め、その中で参考にしてまいりたいと存じます。 次に、環境問題のうち、政府の政策転換により、再生可能エネルギー買い取り制度が縮小となったことへの所見についてであります。 先月、国は、電気料金に転嫁される買い取り費用の総額を抑制するため、再生可能エネルギー固定価格買取制度に関する中間整理案をまとめ、来年には関係法を改正する方針であると伺っております。この案では、設置コストが下がっている大規模な事業用の太陽光発電と風力発電を制度の対象から除外し、入札制に切りかえることにより、さらなる発電コストの抑制を図り、競争電源として自立化を進めようとするものでございます。 一方、住宅用などの小規模な太陽光発電やバイオマス発電などは、当面、現行制度を維持すると伺っております。 今回の見直しは、再生可能エネルギーの主力電源化に向けた具体的な対策の一つでございまして、買い取り制度が縮小となることにつきましては、国民負担の抑制と再生可能エネルギーの普及の両立を図るために必要な見直しであるものと存じております。 次に、今後、太陽光発電の拡充に努めるのかどうかについてであります。 本市では、これまで地球温暖化対策実行計画に基づき、積極的に太陽エネルギーの利用促進に努めてきたところでございます。再生可能エネルギーの導入が急速に拡大する中、固定価格買取制度の課題のほか、電力の需給調整等の問題が顕在化をしてきており、そのため、本市の市有施設の太陽光発電につきましても、出力制御への対応が必要となったことを契機に、これまでの売電から自家消費を原則として設置を進めていくこととしているところでございます。 また、住宅用太陽光発電システム補助につきましては、設置コストの低減等に伴い、補助単価及び上限額を見直すとともに、自家消費を促す蓄電池補助を加えるなど、限られた財源の中で利用拡大につながるよう制度を運用しているものでございます。再生可能エネルギーの中でも、本市において導入ポテンシャルが高い太陽光発電は、地球温暖化対策に加え、エネルギーの地産地消を推進する上でも重要であるものと存じますことから、今後とも、国のエネルギー政策の動向も踏まえ、適宜、見直しを行いながら、拡充につながるよう効果的な取り組みに努めてまいりたいと存じます。 次に、福祉問題のうち、若者支援に関し、現状では、支援の対象外となる40代以上の人も含め、どのような支援に取り組んでいくのかについてであります。 本市におきましては、平成29年度から高松市若者支援協議会を設置し、国の若者の定義に準じ、おおむね15歳以上40歳未満の若者及び、その家族を包括的に支援するための施策等につきまして協議検討を重ねているところでございます。 御紹介いただきましたように、内閣府は、本年3月、40歳から64歳で、家族以外とほとんど交流せずに、自宅で引きこもる人が推計で全国に61万3,000人おり、15歳から39歳の54万1,000人を上回っていることを明らかにいたしました。 さらに、国は、若者の就職への支援を行う地域若者サポートステーションについて、対象年齢を40歳未満から50歳にまで拡大をし、相談事業を展開する方針を打ち出しているところでございます。 現在、本市におきましては、ひきこもり支援事業として、ひきこもり相談窓口やひきこもり当事者傾聴サロンなど、年齢制限を設けず相談事業等に努めているところでございます。また、高松型地域共生社会構築事業では、課題を抱えた方を必要な支援に結びつける、まるごと福祉相談員を配置していくほか、今後、総合センター等に福祉の総合相談窓口を設置するなど、ひきこもりの方も含め、年齢に関係なく相談支援を行うことといたしております。 今後におきましては、このような取り組みをさらに充実させるとともに、支援機関や地域とのネットワークの構築を図り、連携をより一層密にしながら、40代以上の人も含め、一人でも多くの方々の課題解決に向け、鋭意、取り組んでまいりたいと存じます。 次に、就職支援のため、本市正規職員として就職氷河期世代を雇用する考えについてであります。 御質問にもございますように、国におきましては、就職氷河期世代とされる30代半ばから40代半ばの人の就職支援に取り組んでいるところでございますが、本市におきましても、今年度技能職員の採用試験において、就職氷河期世代の就職支援を踏まえ、年齢要件の上限を、これまでの35歳以下から45歳以下にまで拡大したところでございます。また、他の自治体における支援の取り組みとして、就職氷河期世代のみを対象とする採用試験を実施している自治体もあるところでございます。 本市といたしましては、今回の技能職員採用試験の実施結果も踏まえ、国や県・他の自治体の状況、また、在職者の年齢構成のバランスも勘案する中で、職員採用試験における就職氷河期世代の就職支援のあり方について、今後、検討してまいりたいと存じます。 次に、高齢者の移動支援のうち、高齢者の安全運転を支える取り組みを充実させる考えについてであります。 本市では、これまで高齢者等交通安全啓発事業として、運転免許証返納促進事業と交通安全教室を二つの大きな柱として位置づけ、鋭意、取り組んできたところでございます。そのうち、運転免許証返納促進事業につきましては、高齢者の自動車運転事故の減少を図り、公共交通等への利用を働きかけるため、平成22年度から65歳以上の高齢者を対象に事業を開始し、現在では、自主的に運転免許証を返納すると1万円分のシニアIruCaカード、もしくはJRICOCAカードを交付しているものでございます。 さらに、市役所本庁舎内だけであった自主返納の受付窓口を、各総合センターや瓦町FLAG内の市民サービスセンターに設置するなど、利便性の向上にも努めたところ、昨年度は約1,300人の方に交付を行ったところでございます。 また、交通安全教室におきましては、反射材着用の周知啓発や、事故現場を捉えたドライブレコーダーの映像を放映するなど、安全運転行動を促し、さらなる安全運転の意識啓発に努めてまいったところでございます。 今後におきましても、シルバードライバーズスクール等において、安全運転サポート車の体験会を実施するなど、その普及啓発にも努めるとともに、県警察など関係機関等とも一層の連携を図り、高齢者の交通事故の防止に一体となって取り組んでまいりたいと存じます。 次に、地域が主体となった高齢者の移動・外出支援に対する支援に取り組む考えについてであります。 高齢化の進展に伴い、通院や買い物など、生活に必要な移動が困難な高齢者の増加が見込まれておりますことから、その対策が重要であるものと存じます。 このような中、市内の一部の地域では、地域福祉ネットワーク会議等で地域の課題として協議をし、社会福祉法人から車両等の提供を受け、買い物などを目的とした高齢者の外出支援を行うなど、住民同士の助け合いによる取り組みが始まっているところでございます。 また、利用料金の徴収の有無や運行形態等によりましては、道路運送法上の許可・登録が必要となりますため、四国運輸局との協議に際しましては、地域とともに、本市もかかわっているところでございます。 今後におきましては、御質問にございました課題も踏まえ、各地域で行われている先駆的な取り組みを参考に、関係機関との協議や地域コミュニティ協議会・高松市社会福祉協議会などとも連携をしながら、地域の実情やニーズに沿った持続可能な高齢者の移動・外出の仕組みづくりを支援してまいりたいと存じます。 なお、その他の件につきましては、副市長並びに教育長から答弁いたしますので、よろしくお願いをいたします。 ○議長(小比賀勝博君) 副市長 田村真一君。 ◎副市長(田村真一君) 20番三笠議員の代表質問にお答え申し上げます。 政治姿勢のうち、新たに副市長の職責を担うに当たっての決意についてでございます。 本市では、令和という新しい時代の幕あけと、ほぼ時を同じくして、大西市長の4期目の任期がスタートいたしました。 また、人口減少、少子・超高齢社会などの諸課題に対応する中での、商業・農業や観光の振興を初めとした地方創生や、コンパクトながらも公共交通によるネットワークが確保された持続可能なまちづくりに向けて、具体的な施策を展開していかなければならない年でもあります。 このように、本市の今後の将来を方向づける重要なタイミングで、市議会の御同意をいただきまして副市長という大役を拝命いたしましたことは、身の引き締まる思いであり、また、責任の重さを痛感しているところでございます。 私は、もとより浅学非才、微力ではございますが、大西市長が目指す瀬戸内クリエイティブ・コア・高松のさらなる進化の旗印のもと、これまで携わってまいりました、まちづくりや産業振興の分野での行政経験を生かしつつ、高松をさらに元気にとの思いを胸に、加藤副市長とともに、職員の協力を得ながら大西市長を支え、全力で職責を全うしてまいる決意でございます。 三笠議員を初め、議員の皆様方におかれましては、格段の御支援・御指導を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。 ○議長(小比賀勝博君) 教育長 藤本泰雄君。 ◎教育長(藤本泰雄君) 20番三笠議員の代表質問にお答え申し上げます。 教育のうち、学力テストに関し、英語の学力向上のため、本市独自の英語教育の充実に取り組む考えについてであります。 本市におきましては、全中学校に配置しているALT──外国語指導助手を活用し、ALTとの会話を通して、自分の考えを直接外国人に伝える経験を積み重ねることで、使える英語の習得に努めているところでございます。 さらに、小学校5年から中学校3年までの全ての普通教育に導入した電子黒板を活用して、英語でのやりとりを視聴したり話したりすることで、目的や場面・状況等に応じた適切なコミュニケーション能力の育成を図っておりますとともに、デジタル教科書を使って、楽しくわかる英語の授業改善を進めているところでございます。 また、生徒自身が直接画面を操作しながら英語でプレゼンテーションを行い、英語を使って自分の気持ちや考えを表現したりするなど、言語活動の充実に努めております。 教育委員会といたしましては、ALTや他の生徒との活発なやりとりを促すなど、ふだんの授業改善を図るとともに、電子黒板を有効に活用した本市独自の取り組みによって、英語の学力の向上を図られるよう、各学校を指導してまいりたいと存じます。 次に、子供の自己肯定感を育むための取り組みを推進していく考えについてであります。 全国学力・学習状況調査においては、自己肯定感に関する項目の肯定的な回答の割合が、本市は依然として県や全国の値を下回っているものの、調査開始の平成19年度と比較して増加しており、徐々にではありますが、自己肯定感が向上しているものと認識いたしております。 また、学校質問紙調査からは、教員が児童生徒一人一人のよい点や可能性を見つけて評価しているという結果が出ており、伸びやよさを伝えることで、児童生徒が、みずからの成長を実感することができるようにするなど、児童生徒理解に基づいた指導を行っているところでございます。 さらに、集団宿泊学習や職場体験学習・ボランティア活動等の体験活動を積極的に行っており、児童生徒が達成感や成功体験を味わうことができるようにするとともに、異学年や校種間の交流活動を通して、自己肯定感の醸成に努めております。 教育委員会といたしましては、学びに向かう力の基盤となる児童生徒の自己肯定感の醸成は、極めて重要でありますことから、今後とも、仲間とともに生活する中で、自分のよさを実感し、自己肯定感を高める指導の充実に努めるとともに、高松型学校運営協議会を活用し、児童生徒が地域の方とつながり、地域で活躍する場を設けるよう、各学校を指導してまいりたいと存じます。 次に、ふるさと高松についての理解を深め、郷土愛が育まれるよう、地元企業と連携した職場体験のイベントを行う考えについてであります。 職業体験を初めとしたキャリア教育は、児童生徒一人一人がしっかりとした勤労観や職業観を形成し、社会の一員としての役割を果たすとともに、それぞれの個性を最大限発揮しながら、社会的・職業的に自立して生きていくために必要な能力や態度を育むために大変重要なものと認識いたしております。 本市におきましては、地元企業等がかかわった職場体験イベントとして、これまで中央商店街やサンポート高松などを会場に行われている事例があるほか、こども未来館と高松青年会議所が共同で開催した、わくわくワークチャレンジinたかまつミライエなどが実施されているところでございます。 御提言の地元企業と連携した職場体験イベントは、地元企業への理解が深まることや子供たちの夢や創造力、地元への愛着心を育むことにも有用であると存じておりますことから、地元企業と連携した職業体験イベントの実施について、関係団体に働きかけてまいりたいと存じます。 ○議長(小比賀勝博君) 以上で当局の答弁は終わりました。 再質問はありませんか。──御発言がないようでありますので、以上で20番議員の代表質問は終わりました。 これにて代表質問を終わります。 この際、10分間休憩いたします。      午後2時50分 休憩  ────────────────      午後3時 再開 出席議員 38名  1番 杉 本 勝 利  2番 白 石 義 人  3番 小比賀 勝 博  4番 大 浦 澄 子  5番 山 下   誠  6番 大 見 昌 弘  7番 西 岡 章 夫  9番 斉 藤   修  10番 坂 下 且 人  11番 井 上 孝 志  12番 中 村 順 一  13番 辻   正 彦  14番 橋 本 浩 之  15番 十 川 信 孝  17番 住 谷 篤 志  18番 田 井 久留美  19番 神 内 茂 樹  20番 三 笠 輝 彦  21番 北 谷 悌 邦  22番 大 西   智  23番 佐 藤 好 邦  24番 妻 鹿 常 男  25番 天 雲 千恵美  26番 中 西 俊 介  27番 藤 原 正 雄  28番 香 川 洋 二  29番 中 村 秀 三  30番 造 田 正 彦  31番 中 村 伸 一  32番 竹 内 俊 彦  33番 富 野 和 憲  34番 植 田 真 紀  35番 春 田 敬 司  36番 大 山 高 子  37番 太 田 安由美  38番 藤 沢 やよい  39番 岡 田 まなみ  40番 吉 峰 幸 夫  ──────────────── 欠席議員 2名  8番 鎌 田 基 志  16番 岡 下 勝 彦  ──────────────── 議会事務局出席者  事務局長     多 田 雄 治  事務局次長議事課長事務取扱           西 川 宏 行  総務調査課長   山 上 浩 平  議事課長補佐   十 河 知 史  議事係長     野 口 勝 弘  議事課主査    田 中 勝 博  ──────────────── 説明のため会議に出席した者  市長       大 西 秀 人  副市長      加 藤 昭 彦  副市長      田 村 真 一  病院事業管理者  和 田 大 助  教育長      藤 本 泰 雄  市民政策局長   佐々木 和 也  総務局長     片 山 智 規  財政局長     溝 尾 彰 人  健康福祉局長   上 枝 直 樹  環境局長     森 田 素 子  創造都市推進局長 長 井 一 喜  都市整備局長   木 村 重 之  消防局長     辻 本 哲 彦  病院局長     山 田 国 司  教育局長     赤 松 雅 子  市民政策局次長事務取扱           佐 藤 扶司子  総務局次長    小 澤 孝 洋  財政局次長    外 村 稔 哉  健康福祉局次長  河 野 佳 代  環境局次長    宮 崎 正 義  創造都市推進局次長事務取扱           多 田 安 寛  都市整備局次長事務取扱           森 田 大 介  消防局次長    福 山 和 男  病院局次長    坂 東 則 幸  教育局次長    石 原 徳 二  秘書課長     松 本 竜太朗  総務課長     大 村   武  財政課長事務取扱 楠   康 弘  ──────────────── ○議長(小比賀勝博君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 これより質疑に入ります。 質疑の通告がありますので、順次、発言を許します。38番 藤沢やよい君。  〔38番(藤沢やよい君)登壇〕
    ◆38番(藤沢やよい君) 日本共産党議員団を代表して、私、藤沢やよいが質疑を行います。 初めに、議案第139号令和元年度高松市一般会計補正予算(第2号)中、教育ICT整備・活用推進費、債務負担行為9,605万円について。 これは、ICT教育環境整備を推進するため、市立小学校の3・4年生普通教室に、電子黒板を整備する予算です。平成29年12月26日、文部科学省より平成30年度以降の学校におけるICT環境の整備方針について通知が出され、本市教育委員会は、第1期(2018─2023)高松市ICT教育推進計画──平成30年7月1日施行を策定しています。電子黒板は、昨年の4月から市立小学校5・6年生普通教室に整備し、昨年9月議会補正予算で、市立中学校全学年普通教室に整備する予算が提案され、現在、小学校5年生から中学校3年生まで、全ての普通教室に電子黒板が整備されています。便利な点と懸念される点があると思います。現場の教員からは、便利という声と準備のために多忙になったという声を聞いています。これまで導入後、効果の検証など、議論されてきたのでしょうか。 最近、スマホが普及し、スマホ依存症も問題になっています。人間の脳や体にどういう影響を及ぼすかは解明されていませんが、便利な反面、考えなくてもすぐ答えが出るため、思考力が衰えるのではないかと懸念されます。3・4年生は、教員との触れ合い、読み書き・基礎学力の向上、自然との触れ合い、子供の成長、人格の形成が重要と考えます。毎日長い時間過ごす学校で、快適に過ごすための教育環境の整備や施設整備も求められます。教員は、子供とゆっくり接することができず、早朝から夜遅くまで勤務し、自宅に帰ってから授業準備と、ゆとりのない生活で多忙化解消が求められます。今、香川の義務教育の中で一番求められているのは、体験学習など丁寧な授業で、全ての子供たちが学校が楽しいと思えること、子供と触れ合うために少人数学級を全学年で実施することです。少人数学級を実践することで、子供の学力向上と教員の多忙化解消につながると考えます。教員の増員と少人数学級を全学年で実施することが切実で、何よりも求められていると考えます。 そこでお尋ねします。 1、小学校5・6年生普通教室に、電子黒板を導入しての検証結果をお示しください。 2、スマホ依存症が問題になっていますが、3・4年生普通教室に電子黒板を整備する理由は何でしょうか。また、人格形成と思考力・学力向上に、どういう役割を果たすのでしょうか、お考えをお聞かせください。 3、ICTになれない教員には、どのような対応をしているのでしょうか、お答えください。 次に、議案第139号令和元年度高松市一般会計補正予算(第2号)中、行政改革推進費1,823万9,000円について。 これは、消費税率引き上げに伴う経済対策として、令和2年度から始まるマイナンバーカードを活用したポイント事業の事前準備業務を委託する予算です。この事業の前提には、消費税率10%増税があり、マイナンバーカードを活用した消費活性化の取り組みがあります。消費税は、1989年4月に税率3%で導入され、その後の30年間に5%・8%と増税が繰り返されてきました。原則として、あらゆる商品やサービスに課税される低所得者ほど負担が重い、逆進的な税金です。2014年の8%増税をきっかけに、実質家計消費は年25万円も減り、実質賃金は10万円も減り、内閣府が公表した、ことし3月の景気動向指数は、6年2カ月ぶりとなる悪化。G20の首脳宣言では、世界経済の下振れリスクに、全ての政策手段を用いると確認しており、国内経済の悪化という点からも、世界経済のリスクからも増税は無謀であり、中止すべきです。 安倍政権は、キャッシュレス取引でのポイント還元やプレミアム付商品券を発行し、景気の下振れリスクには、ちゅうちょすることなく対策をとると言います。 しかし、ポイント還元に必要な中小商店の登録申請は、まだ対象事業者の約2割です。制度を複雑にするだけで、効果が薄い対策に巨費を投じるくらいなら、増税をやめるべきです。消費税は、社会保障の充実のためとの名目ですが、実際に社会保障の充実に使われたのは約16%です。所得の低い人から消費税を集めて、大企業の法人税減税の穴埋めに使われているのが現状です。1989年から2019年──31年間の消費税の累計額約397兆円、法人三税の減収額累計額約298兆円。税金は、大企業や富裕層に応能負担の原則を求めるべきで、格差と貧困を拡大する消費税増税中止を、本市として国に提案すべきです。 マイナンバーを活用したポイント事業ですが、マイナンバーカードの取得率は、9月1日時点で13.9%と普及が進んでいない状況です。市民には、ほとんどメリットはなく、個人情報の漏えいなどを警戒して、市民に受け入れられていないと思われます。これまで当議員団は、国民総監視・税徴収強化が狙いで、個人情報漏えいもある中で、マイナンバー制度に反対をしてきました。マイナンバー制度はやめるべきです。増税対策にマイナンバーカードを活用し、ポイントを付与する政策は、マイナンバーカード作成を誘導し、マイナンバーカード普及が主目的のように思えます。 そこで、マイナンバーカード普及と増税対策を、結びつけてすべきでないと考えます。市長のお考えをお聞かせください。 消費税増税対策は、より負担感が大きくなる低所得層に手厚くすべきですが、マイナンバーカードの取得は、所得と連動しているわけではありません。年金暮らしや日々の生活が大変な市民が、2万円入金して5,000円還元されるからと、このポイント還元を利用するでしょうか。そんな余裕はないと思います。小手先で軽減税率やポイント還元などの政策を打ち出していますが、その対応に要する経費として、莫大な税金が投入されています。 そこで、事前準備費用は全額国費ですが、この事業に関して、来年度以降、事務作業も含めて自治体負担があるかどうかをお聞かせください。 次に、議案第146号高松市特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業の運営に関する基準を定める条例の一部改正について、議案第148号高松市子どものための教育・保育給付に係る利用者負担額を定める条例の一部改正について。 10月から開始する幼児教育無償化について、本市の条例の一部改正が提案されています。関連する質疑をさせていただきます。 いわゆる幼児教育無償化法は、消費税増税を発端としたもので、2017年9月、安倍総理が解散の口実に、消費税10%増税の使途に幼児教育の無償化を持ち出しました。保育料は、既に所得に応じて段階的になっており、低所得世帯では、無償化による恩恵は少なく、逆進性がある消費税増税分が重くのしかかるだけです。 今回の無償化は、保育所・幼稚園を利用する全ての子供が対象になるわけではありません。3歳から5歳児が中心で、子ども・子育て支援新制度の対象となる施設──幼稚園・保育所・認定こども園・地域型保育──小規模保育・家庭的保育・事業所内保育・居宅訪問型保育などが対象施設となります。 一方、昼食などの副食費──月4,500円は、公的給付の対象から外され、保育施設が実費徴収することになります。ただし、生活保護世帯と3人目の子供と年収360万円以下の世帯は、副食費は免除されます。 ゼロ歳から2歳児で保育を必要とする3号認定については、住民税非課税世帯の子供のみが対象で、ほとんどの世帯は対象にはなりません。低年齢児ほど保育料が高く、経済的負担が大きいという現状から見ても、不十分と言わざるを得ず、ゼロ歳から2歳児についても、無償化の対象にするよう国に求めていくべきです。これまで本市は、子育てするなら高松市ということで、国基準に独自の財源を上乗せして、実際に保護者から徴収する保育料を低く抑えてきました。同時在園の2人目以降、保育料を補助し無料としてきました。今回の改正では、1人目が3歳から5歳の場合は無償、2人目がゼロ歳から2歳の場合は半額保育料が必要です。 そこで、幼児教育無償化で不要となる自治体独自の保育料軽減財源を活用して、子育て世帯の負担軽減のために、本市独自で、非課税世帯以外のゼロ歳から2歳児の保育料を無償にする考えについてお聞かせください。 副食費の実費徴収問題について。 保育園事業は補助事業ではなく、委託事業です。保育の委託内容に給食があり、給食を除く保育はあり得ません。保育指針の中に、食育の推進と位置づけられております。これまで、保育料の中に含まれていた給食費を、別に食材費実費徴収することはおかしいことです。低所得者で保育料が安い方は、副食費の負担が高くなる可能性もあります。保育所は、副食費の請求に複雑な対応が求められ、請求・説明・徴収管理の負担が新たに保育所や保育士にかかってきます。長時間、過密労働に拍車をかけることは疑いありません。 5月に、子ども・子育て支援法の一部を改正する法律が通り、7月末に市は保育所に説明、予算にもかかわる大きな改正にもかかわらず、年度途中の10月実施で、自治体も保育所の現場も大混乱です。保育現場は疑問がいっぱいで、丁寧な説明が必要です。丸亀市と三豊市は、副食費を市が助成することを決めました。丸亀市は、主食800円と副食4,500円、合わせて5,300円を助成します。給食を含めて保育という点からも、子育て世帯の負担軽減からも、完全無償化すべきと考えます。 そこでお尋ねします。 10月から3月までの半年分の副食費を本市が負担するとすれば、どのくらいの金額になるのでしょうか。 また、同時在園第2子などを見直すことで、本市独自の保育料財源は幾ら軽減されるのでしょうか。 本市独自で、副食費を無償化する考えについてお聞かせください。 認可外保育施設には月3万7,000円、ゼロ歳から2歳は住民税非課税世帯のみ4万2,000円を上限とする利用料補助を創設。保育士割合を認可保育所の3分の1以上とすることなどを求める認可外保育施設指導監督基準を満たすことを要件として、補助金を支給する市町村にも、同基準に関する指導権限を与えますが、同基準を5年間満たさなくてもよいとする経過措置が設けられました。経過措置期間の5年間は、保育士が1人もいないような施設をも給付対象とし、是正すべき指導監督基準以下の施設をも容認するなど、矛盾だらけの制度となっています。このような子ども・子育て支援法の一部を改正する法律案に、日本共産党は反対をしました。 ところで、保育中の死亡事故で亡くなった子供の人数は、2004年から2017年の14年間で198人、死亡事故の約8割がゼロ歳から1歳児で、睡眠中に起きています。認可外保育施設での死亡事故発生率は、認可施設の25倍。死亡事故を起こした施設は、立入調査で基準違反の指摘事項が多いのが特徴です。児童福祉法第24条第1項で自治体の保育責任が明記されています。待機児童解消のために、本来は認可保育所をふやしていかなければならないのに、国も市も認可外保育施設を認めてきた責任は大きいと思います。全ての子供に質の高い保育を格差なく平等に保障するため、自治体が責任を持って認可保育所を整備すべきです。 そこで、無償化対象となる認可外保育施設に対しても事故がないよう、子供の安全のために適切な指導監査を実施するなど、自治体が責任を明確にし、万全の対策をとるべきと考えます。お考えをお聞かせください。 待機児童の問題と保育士の処遇改善について、ことしの4月1日現在の待機児童数は77人で、解消には至っておらず、本当に困っている保護者がいます。保育士不足も待機児童解消が進まない原因の一つとなっています。保育士の資格を持っていても給料が安い。その割に責任が重い。保育士の月給は、全産業平均より約10万円低いため、募集してもなかなか応募がないため、認可保育所でも定員いっぱいまで預かれない状況もあります。 そこで、待機児童の解消に向けて、保育士の処遇改善をさらに強化していく考えについてお聞かせください。 少子化問題は国難と言われ、国の根幹にかかわる問題です。子育ては国の将来にかかわる問題で、少子化対策では、子育て支援が最も重要です。格差と貧困が広がる中、共働きでないと暮らしていけない、ひとり親で苦労している、看護師・介護士など夜勤がある仕事、24時間営業の店で働く人など、多様な働き方の中、安心して子育てできるようにすることが自治体の責任です。認可保育所に入れず、無認可保育所に預けざるを得ない状況があります。 そこで、全ての子供に質の高い保育を格差なく平等に保障するため、夜間保育も含めた認可保育所を、市が率先してつくっていくべきと考えます。お考えをお聞かせください。 次に、議案第150号高松市持続可能な水環境の形成に関する条例及び高松市環境審議会条例の一部改正について。 この改正案は、水環境協議会を廃止し、その所掌事務を環境審議会に行わせるためのものです。 水環境協議会は、委員数15人以内。水環境基本計画の策定に関し市長に意見を提出し、水環境の形成に関する事項について協議するものです。2011年度から2017年度の実績で見ると、平均で年1.7回、11人の委員で、1回1時間40分開催されました。 一方、環境審議会は、委員数15人以内。環境保全に関する事項について調査・審議するものです。平均で年1.4回、12人の委員で、1回1時間10分開催されました。 高松市持続可能な水環境の形成に関する条例の前文には、水は全ての生命の源であり、かけがえのないものであると、水の大切さ、先人たちが渇水で苦労してきたことなど、これからも豊かな水環境を形成し、持続可能な形で引き継いでいかなければならないとうたわれています。水環境協議会の機能は、高松市政にとって重要なものであり、これを継続し、さらには充実させることが大切です。 市は、水環境協議会を廃止する理由を、水道事業が高松市から香川県広域水道企業団に移行したことを上げていますが、そのことは、水環境協議会を廃止する理由にはなりません。環境審議会の委員からも、水の安定供給や渇水対策は、高松市にとって一番の関心事項であることに変わりはない。それを議論することや確認することもできないのかという部分に、少し工夫が必要なのではないかとの意見が出されています。市も渇水、水の安定供給について、高松市の重要施策に変わりはないと考えていると答えています。水環境協議会の機能を環境審議会が引き継ぐには、年間延べ31人・時間の審議時間の追加が必要です。両方の会の委員は、1名以外重複していませんし、水環境協議会委員には、専門性が必要な方もいらっしゃいますので、単純計算すると、環境審議会の開催を1.7回、1回1時間40分にして委員を15人ふやす必要があります。 そこでお尋ねします。 水環境協議会を廃止し、環境審議会の委員数を1名ふやすことによって、従来の水環境協議会の機能を継続させることができるとお考えでしょうか。その根拠を具体的にお示しください。 水道事業が企業団に移行したといえども、水問題は命にかかわる市の重要な問題です。直接の関係者・専門家・市民を交えて真剣に議論する必要があります。水環境協議会の処遇については、存続させるか、または環境審議会の委員数を大幅にふやす、または専門部会をつくるなどの方法が考えられます。 そこで、水環境問題について、水環境に詳しい専門家を加えて真剣に議論し、本気で位置づけて取り組むべきです。お考えをお聞かせください。 以上で質疑を終わります。御清聴ありがとうございました。 ○議長(小比賀勝博君) ただいまの38番議員の質疑に対する当局の答弁を求めます。市長 大西秀人君。  〔市長(大西秀人君)登壇〕 ◎市長(大西秀人君) 38番藤沢議員の質疑にお答え申し上げます。 まず、議案第139号令和元年度高松市一般会計補正予算(第2号)のうち、行政改革推進費1,823万9,000円に関し、マイナンバーカード普及と増税対策を、結びつけてすべきでないと考えるがどうかについてであります。 マイナンバーカードを活用した消費活性化策につきましては、骨太の方針等を踏まえ、来年度、消費税率引き上げに伴う需要平準化策として実施されるもので、事業の推進により消費の活性化とともに、マイナンバーカードの取得促進も合わせて図ることを目的としておりますことから、問題があるとは考えておりません。 次に、議案第146号高松市特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業の運営に関する基準を定める条例の一部改正、及び議案第148号高松市子どものための教育・保育給付に係る利用者負担額を定める条例の一部改正のうち、本市独自で、非課税世帯以外のゼロ歳から2歳児の保育料を無償にする考えについてであります。 本市では、幼児教育・保育の無償化以降も市独自の多子減免事業として、保育所等を利用するゼロ歳から2歳児内で、同時に在園する2人目の子供と第3子以降の子供の保育料につきまして、無償とすることとしております。 御質問の、市独自で保育所等を利用する全てのゼロ歳から2歳児の保育料を無償化することは、相当の財源を伴いますことから、困難であると存じます。 一方、今般の無償化に伴う、子ども・子育て支援法の一部を改正する法律案に対する衆議院内閣委員会の附帯決議におきまして、ゼロ歳から2歳までの保育の必要性がある子供全てが、無償化の対象となるよう検討を行い、その結果に基づいて、所要の措置を講じることとされておりますことから、今後の国の動向を注視してまいりたいと存じます。 次に、本市独自で副食費を無償化する考えについてであります。 国は、幼児教育・保育の無償化におきまして、食材料費につきましては無償化の対象外とすることとし、その上で、保育所等を利用する3歳から5歳児である2号認定子供の副食費を、幼稚園等を利用する1号認定子供にあわせて、実費徴収とすることとしたものでございます。 本市といたしましては、国の方針に基づき、2号認定子供の副食費につきましては、実費を徴収することとしており、市独自に、一律に無償化の対象とすることは、既に実費徴収となっている1号認定子供との公平性の確保や、実施には相当の財源を伴うこととなりますことから、考えていないところであります。 一方で、国基準に基づき、年収360万円未満相当世帯等につきましては、実費徴収を免除するほか、市単独の保育料等多子減免事業によって利用料が無償となっていた世帯につきましては、経過措置として、当該児童の在園期間中の副食費の徴収を免除することとしているものでございます。 次に、無償化対象となる認可外保育施設に対しても事故がないよう、子供の安全のために適切な指導監査を実施するなど、自治体が責任を明確にし、万全の対策をとる考えについてであります。 各施設の運営上の管理責任は、事業者にあるものと存じておりますが、児童福祉法第59条において、都道府県・政令市及び中核市は、認可外保育施設への立入調査の実施や改善の勧告、また、児童の福祉のために必要であると認めるときには、事業の停止や認可外保育施設の閉鎖を命ずることができると規定されておりますことから、本市は認可外保育施設を指導監督する権限を有しているものでございます。 認可外保育施設に入所している児童の安全を確保するためには、適正な保育内容や保育環境が必要であると存じておりますことから、今後におきましても、保育の質が担保されるよう、認可外保育施設に対する指導監査を適切に実施してまいりたいと存じます。 次に、待機児童の解消に向けて、保育士の処遇改善をさらに強化していく考えについてであります。 国におきましては、保育士の処遇改善のため、公定価格の算定において、職員の勤続年数や経験年数に応じた加算を設けておりますほか、平成29年度からは、一定の要件を満たす保育士に対し、月額4万円、または5,000円の加算を行っているところでございます。 さらに、今年度からは、保育士の確保や他産業との賃金格差のため、1%を加算する処遇改善策が盛り込まれたところでございます。 私といたしましては、保育士の処遇改善につきましては、国が必要な措置を講ずるべきと存じておりますことから、今後におきましても、さまざまな機会を捉えて、全国市長会等を通じ、待機児童の解消に向け、保育士のさらなる処遇改善の実施について、国へ要望してまいりたいと存じます。 次に、夜間保育も含めた認可保育所を、市が率先してつくる考えについてであります。 本市では、高松市子ども・子育て支援推進計画におきまして、民間事業者の自主整備による小規模保育所事業所や保育所の創設等に取り組んできたところでございまして、市立保育所の創設等は、予定をいたしておりません。 また、夜間保育につきましては、現在、市内の私立認可保育所1カ所で実施をしておりますが、今後とも、保護者の保育ニーズにつきまして、十分把握をしてまいりたいと存じます。 次に、議案第150号高松市持続可能な水環境の形成に関する条例及び高松市環境審議会条例の一部改正のうち、水環境協議会を廃止し、環境審議会の委員数を1名ふやすことによって、従来の水環境協議会の機能を継続させることができるのかについてであります。 環境審議会は、学識経験者や各種団体の代表者など、幅広い方々の参画のもと、本市の環境全般にわたり調査・審議する附属機関でございまして、水環境に係る施策につきましても、環境行政の一分野として、従来から議論してまいりましたことから、もとより水環境協議会の所掌事務を引き継ぐ十分な機能を有する組織であるものと存じます。 さらに、このほど委員定数を見直し、水環境施策に対応した機能の強化を図りますことから、従来の水環境協議会の機能は、適切に継続できるものと存じます。 次に、水環境問題について、水環境に詳しい専門家を加えて真剣に議論し、本気で位置づけて取り組む考えについてであります。 御提言のとおり、水環境に詳しい専門家を委員に加えることは、環境審議会の専門性を高め、議論を活性化させる上で有効であるものと存じます。 このたびの委員定数の見直しに伴いまして、水環境を専門とする学識経験者の方に委員に加わっていただくよう検討しておりますことから、新たな委員を中心として、水環境に関する真剣、かつ活発な議論が交わされるものと存じます。 今後におきましても、環境審議会からの御意見・御提言を踏まえ、持続可能な水環境の形成に向けて、鋭意、取り組んでまいりたいと存じます。 なお、その他の件につきましては、教育長並びに関係局長から答弁いたしますので、よろしくお願いをいたします。 ○議長(小比賀勝博君) 総務局長 片山智規君。 ◎総務局長(片山智規君) 38番藤沢議員の質疑にお答え申し上げます。 議案第139号のうち、行政改革推進費1,823万9,000円に関し、事前準備は全額国費だが、マイナンバーカードを活用したポイント事業に関して、来年度以降、事務作業も含めて自治体負担があるのかどうかについてでございますが、現在のところ、本事業に関して、国から来年度以降の市区町村が担う事務が示されていないことから、事務作業も含めて、自治体負担があるかどうかにつきましては、未定でございます。 ○議長(小比賀勝博君) 健康福祉局長 上枝直樹君。 ◎健康福祉局長(上枝直樹君) 38番藤沢議員の質疑にお答え申し上げます。 議案第146号及び議案第148号のうち、10月から3月までの半年分の副食費を本市が負担するとすれば、幾らになるのかについてでございますが、現在、保育所等を利用している2号認定子供の副食費を本市が免除した場合、概算では半年間で約1.6億円、さらに、幼稚園等を利用する1号認定子供を加えますと約3億円、年間で約6億円が必要となるものと見込んでおります。 また、同時在園第2子などを見直すことで、本市独自の保育利用財源は幾ら軽減されるのかについてでございますが、幼児教育・保育の無償化に伴い、市単独の保育料等多子減免事業の年齢区分を見直すことにより、年間で約2.6億円の軽減を見込んでおります。 ○議長(小比賀勝博君) 教育長 藤本泰雄君。 ◎教育長(藤本泰雄君) 38番藤沢議員の質疑にお答え申し上げます。 議案第139号のうち、教育ICT整備・活用推進費、債務負担行為9,605万円に関し、小学校5・6年生普通教室に、電子黒板を導入しての検証結果についてであります。 本市では、平成30年度からの教科外国語の先行実施に合わせ、小学校5・6年の普通教室に電子黒板を設置しており、昨年度から今年度初めにかけて、教員や児童生徒にアンケート調査を実施し、成果の検証に努めたところでございます。 まず、小学校5・6年生を対象に実施したアンケート調査において、電子黒板を使う授業はわかりやすいですかとの問いに95%の児童が、やる気が出ますかの問いに85%の児童が肯定的に回答しております。 また、教員を対象に実施した調査では、全ての教員が学習意欲の向上につながったと回答しており、90%以上の教員が、業務の効率化につながったと回答するなど、導入の成果は大きいと認識いたしております。 次に、スマホ依存症が問題になってるが、3・4年生普通教室に電子黒板を整備する理由についてであります。 来年度から順次実施される新学習指導要領では、言語能力や問題発見・解決能力等と同様に、全ての学習の基盤となる資質・能力として、情報活用能力の育成が明記されるとともに、ICTを活用した学習活動の充実が求められているところでございます。 このようなことから、学年にかかわらず、ICT機器の活用は必要不可欠であると存じておりまして、昨年7月に策定した高松市ICT教育推進計画においては、全ての小中学校普通教室への導入を計画しており、小学校においては、外国語活動が行われる3・4年生の普通教室への整備に係る補正予算議案を提出させていただいているところであります。 また、人格形成と思考力・学力向上に果たす役割についてであります。 情報活用能力は、コンピューター等の操作技能や情報を収集・整理するといった力だけではなく、情報モラルやプログラミング的思考なども含んだ大変幅広い資質能力であります。したがって、情報活用能力の育成に取り組むことは、スマートフォンなどの正しい使い方や論理的に物事を思考・判断する力を身につけることにもつながるものと存じます。 また、先ほども申しましたとおり、電子黒板を活用した授業は、わかりやすい・やる気が出るといった結果が出ていることからも、学力向上につながるものと存じます。 次に、ICTになれない教員への対応についてであります。 本市では、電子黒板を実物投映機やノートパソコンなどと一体的に整備しておりますことから、誰でも簡単に使用できるようにしております。 また、操作研修会を総合教育センターで実施するとともに、中学校への整備時は、全ての学校を訪問し、研修を行ったところでございます。 さらに、学校からの求めに応じて、ICT支援のために職員を派遣する体制を整えており、ICTになれない教員を含め、全ての教員が円滑に活用できるよう努めているところでございます。 ○議長(小比賀勝博君) 以上で当局の答弁は終わりました。 再質疑はありませんか。 ◆38番(藤沢やよい君) 議長──38番。 ○議長(小比賀勝博君) 38番 藤沢やよい君。  〔38番(藤沢やよい君)登壇〕 ◆38番(藤沢やよい君) 議案第146号・議案第148号の(3)について、再質疑いたします。 先ほど(2)の答弁で、10月から3月までの半年間の副食費を本市が負担するとすれば4.6億円、同時在園第2子などを見直すことで、本市独自の保育料財源は2.6億円軽減されると、お答えがありました。大切な子供を預かって運営している保育所においては、10月からの改正に対し、書類の準備や副食費の徴収のことなど、準備が間に合わず、混乱している状況です。国の政策に忠実に従うのではなく、これまで子育てするなら高松市と、子育て世帯の負担軽減のために、同時在園2人目無料の市単独多子減免事業もしてこられたように、副食費は保育の一環として含まれるとの考えに立ち、副食費も無償にすべきと考え、再度、本市独自で副食費を無償化する考えについてお聞かせください。 ○議長(小比賀勝博君) ただいまの38番議員の再質疑に対する当局の答弁を求めます。市長 大西秀人君。  〔市長(大西秀人君)登壇〕 ◎市長(大西秀人君) 38番藤沢議員の再質疑にお答え申し上げます。 議案第146号及び議案第148号のうち、本市独自で副食費を無償化する考えについてであります。 国は、今回の幼児教育・保育の無償化におきまして、現食材料費につきましては無償化の対象外とすることとし、その上で、保育所等を利用する3歳から5歳児である2号認定子供の副食費を、幼稚園等を利用する1号認定子供にあわせて、実費徴収することとしたものでございます。 本市といたしましては、この国の方針に基づきまして、2号認定子供の副食費につきましては、実費を徴収することとしており、市独自で、一律に無償化の対象とすることは、既に実費徴収となっております1号認定子供との公平性の確保や、実施に当たって相当の財源を伴うことになりますことから、考えておりません。 一方で、国基準に基づき、年収360万円未満相当世帯等につきましては、実費徴収を免除するほか、市単独の保育料等多子減免事業によって利用料が無償となっていた世帯につきましては、経過措置として、当該児童の在園期間中の副食費の徴収を免除することとしているところでございます。 ○議長(小比賀勝博君) 以上で当局の答弁は終わりました。 これで38番議員の質疑は終わりました。 次に、34番議員の発言を許します。34番 植田真紀君。  〔34番(植田真紀君)登壇〕 ◆34番(植田真紀君) さきの質疑と一部重複する点がありますが、お許しをいただきたいと思います。 それでは、会派を代表して質疑をさせていただきます。 まず、議案第139号令和元年度高松市一般会計補正予算(第2号)、行政改革推進費1,823万9,000円についてです。 現在、マイナンバーカードを活用した自治体ポイント──高松市ポイントが実施されています。これは、総務省がマイキープラットフォーム構想に基づき構築した情報基盤を活用し、クレジットカード会社のポイントや航空会社のマイレージを高松市ポイントに移行し、丸亀町商店街で利用できるKAME券や、めぐりん加盟店で利用できる、めぐりんマイルに交換できるポイントサービスです。 本市は、高松市ポイントの実証実験を開始した2018年4月22日には、丸亀町商店街において総務副大臣を迎えるなど、盛大に記念式典が開催され、高松市ポイントサービスを市民にアピールしていました。市長は、高松市ポイントの期待される効果について、全国で初めて無人端末機の操作で、高松市ポイントからめぐりんマイルに交換できるよう、本庁舎1階に専用端末を設置するなど、利便性の向上に努めている。この実証実験をきっかけとして、マイナンバーカードの利便性を広く市民の皆様に実感していただくとともに、余っているポイントなどが地元のお店で使われることにより、本市経済の活性化にもつながることを期待していると述べておられました。 開始から1年半以上たちましたが、ことし7月末までに協力会社から本市の自治体ポイントに変換されたのは、たったの17件、7万辻です。高松市ポイントから丸亀町商店街や、めぐりん加盟店でのショッピングに使えるポイントへは、丸亀町商店街19件4万1,000辻、めぐりん加盟店15件1万6,910辻で、計5万7,910辻の変換にとどまっています。高松市ポイントを取得した利用者は14人で、今年度に入ってからは1人です。このような10万円にも満たない状況で、地域経済の活性化を見据えた実証実験としてはどうなのでしょうか。現状から課題を把握し、費用対効果を慎重に見定める必要があります。経費は、実証実験であるとして国の負担ではありますが、毎年の精算手続だけでなく、商店街とのやりとりや、打ち合わせ・協定締結・広報活動など、本市担当職員及び商店街担当者にも、かなりの業務負担が生じたのは言うまでもありません。 さて、今議会に提出されている補正予算は、6月4日決定の、マイナンバーカードの普及とマイナンバーの利活用の促進に関する方針の普及策に掲げられている消費税対策としての自治体ポイント事業だったことから、現在実施の高松市ポイントと大きく関係しています。消費税対策の一つとしての中小・小規模事業者向けのポイント還元は、来月から2020年6月までの9カ月間、クレジットカード・電子マネー・QRコード決済などの電子的決済手段を利用した場合、中小事業者は5%、フランチャイズは2%を消費者還元することになっていますが、これが終了した後、反動減にならないため、消費税対策としての自治体ポイント事業を2020年7月からマイキープラットフォームを活用してポイントサービスに引き継ぎ、実施するというもので、この準備に要するための補正予算ということでした。 ところが、9月3日のデジタル・ガバメント閣僚会議(第5回)において、マイナンバーカードの普及等に向けた取り組みが明らかにされ、自治体ポイント事業からマイナポイントを活用した消費活性化策に変更しました。 しかし、具体的取り組みは不明で、マイナポイントを活用した消費活性化策についてという検討の方向性や仕組みのイメージが、1枚の図で示されているだけで、国の動向を受けて実施する自治体は、振り回されています。自治体ポイントからマイナポイントへの変更は、自治体ポイントの仕組みのまま利用を広げるのは無理だと判断し、それとは別に、単なる官民共同利用型キャッシュレス決済基盤をつくろうとしているように思います。 そこでお尋ねしますが、本市で実施している自治体ポイント事業は、費用対効果の面からも、このまま続けていく必要性は乏しいと考えますがいかがでしょうか、お答えください。 自治体ポイントは、地域経済活性化のためにということでやってきましたが、マイナポイントは、全く趣旨が違ってきた上、制度設計が不透明です。このような状況で補正予算を計上するのは、問題ではないでしょうか、お答えください。 マイナポイントの仕組みでは、一定金額を前払い等した者に対して、地域を問わず使えるポイントを国費で付与するとして、民間キャッシュレス決済手段を使って、ポイント利用することになっています。入金2万円に対して25%の5,000円分を付与する案が有力だとの報道がありますが、このような財源があるのであれば、消費税増税は必要ないのではないでしょうか。 そもそも、マイナンバーカード普及のために、税金でポイントを付与を行うことについて、問題はないのでしょうか、お答えください。 自治体ポイントからマイナポイントへ変更しても、マイナンバーカードを所持してマイキーIDを取得し、マイキープラットフォームを利用する点は、従来の自治体ポイントと同様です。マイキープラットフォームを運用するかどうかは自治体次第で、利用したい自治体は、マイキープラットフォーム運用協議会に参加しなければならないのですが、実際に利用している自治体は100団体程度で、利用が低迷しています。したがって、本市同様、自治体ポイントの実証実験は、どこもうまくいっていないことが明らかになっています。 マイキープラットフォームを利用する自治体は低調ですが、本市にとってのメリットは何でしょうか、お答えください。 この消費活性化策でマイナンバーカードを普及させようと国は躍起になっています。しかし、本市のマイナンバーカード交付率は、8月末現在、5万5,770枚、約13.1%です。国は、交付枚数の想定を2020年7月末3,000万枚から4,000万枚へとしていますが、マイナポイントを活用した消費活性化策を行うことで、国が想定している枚数のマイナンバーカードが普及すると考えているのでしょうか、お答えください。 次に、議案第146号高松市特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業の運営に関する基準を定める条例の一部改正について、及び議案第148号高松市子どものための教育・保育給付に係る利用者負担額を定める条例の一部改正についてです。 子ども・子育て支援法の一部改正により、10月から幼児教育・保育の無償化が実施されます。無償化の対象と内容は、大ざっぱに言うと、3歳から5歳は、一部の高額な保育料を徴収している施設を除き、利用する施設、保護者の所得に関係なく無料、また、ゼロ歳から2歳については、3号認定を受けた子供で、住民税非課税世帯は無料になります。ただし、無償化の対象となるのは保育料だけであり、各施設で実費徴収している教材費・食材料費・通園送迎費・行事費などは対象外です。 まず、お尋ねしますが、幼児教育・保育の無償化は、何を目指すのでしょうか。 現政権は、消費税の増税を正当化するために、幼保無償化を打ち出したのではないかという見方も強く、全ての未就学児を対象にする財政的な余裕がないことや、とりわけ、これまで保育料に含まれていた副食費を無償化の対象外にするなど、中途半端な制度設計になっていることから、保育の現場では混乱を招いています。 そこでお尋ねしますが、無償化の財源は、消費税増税分を充てることについての所見をお聞かせください。 さて、食材料費の取り扱いについてですが、給食は保育の一環であり、保育所保育指針では、食育の推進を位置づけ、保育所の独自性・地域性を生かしながら、食育に取り組むとされています。 さらに、食育基本法に基づき、第2次食育推進基本計画が策定されていますが、この中で、保育所での食育の推進として、乳幼児の発育及び発達の過程に応じて、計画的な食事の提供や食育の実施に努めるとともに、食にかかわる保育環境への配慮が求められています。 今回の無償化の実施で、これまで保育料の中に含まれていた給食材料費が外出しされて、副食費として保護者から4,500円が実費徴収され、主食費も3,000円になるとされていることから、合わせて7,500円の徴収になると示されています。とりわけ、2号認定の副食費については、公定価格において積算し、保育料の一部として保護者に月額4,500円の負担を求めてきたと言われていますが、8月末ごろ、多くの施設で実施された説明会においても、保育料の一部として副食費4,500円を徴収していたことを認識している保護者はほとんどいません。 どのような形で、これまで保育料の中に、副食費4,500円が含まれていることを説明してきたのでしょうか、お答えください。 児童福祉法第24条において、保育所における保育は、市町村が実施することとされていることから、私立保育所は、市町村の委託を受けて保育を行っています。国産にこだわり、野菜が高騰したときでも質を落とさないようにと、食の安全に配慮しています。食育は、保育内容の一環であるということが原則で、給食費は、保育料の性質があることから、公定価格の中で賄われてきたのです。 公定価格の中から外し、園任せにするのは給食が市町村の委託業務ではなくなり、質の低下を招くことになるのではないでしょうか、お答えください。 ところで、公立保育所の副食費は、月額6,000円ですが、保護者からは4,500円のみの負担になっています。残りの1,500円は、税金で負担をしていることになりますが、同じ高松市の子供なのに、公立と私立とでは、このような差があるのは問題です。私立に対しても同様の取り扱いを行う考えについてお答えください。 さらに、先月下旬に示された公定価格案では、3歳児以上の公定価格の基本分単価から副食費4,500円に物価調整額680円を加えた5,180円が減額されていたということが明らかになっています。子供・保護者・保育現場に負担を押しつけるような無償化は問題です。 そこでお尋ねしますが、無償化により、浮いた財源は子供たちのために使うべきであり、まずは、副食費だけでも無償化の対象にする考えをお聞かせください。 次に、認可外保育施設の取り扱いについてです。 認可保育所に入れない、認可保育所では開設時間が合わないなどの理由で、認可外保育施設が存在しています。国が定める保育所の基準を満たしていない施設であるため、存在は認めるものの、国費の投入は行ってきませんでした。 しかし、今回の無償化では、認可外保育施設も対象になり、事実上、国費が投入されることになります。 さらに、2016年度からは、政府が待機児童解消の切り札として、企業主導型保育所を導入し、本市においても、急速に拡大していっています。認可外施設ですが、認可施設並みの助成金が受けられ、全国的には助成金をめぐる不正も相次いでおり、会計検査院からもたびたび指摘されています。 認可外保育施設は、指導監督基準を満たしている施設と満たしていない施設に分かれますが、今回の無償化では、指導監督基準を満たしていない施設については5年間の猶予を与え、無償化の対象としています。一方、指導監督基準を満たしている施設については、特段の条件なく無償化の対象になります。 まず、本市における認可外保育施設の状況は、どのようになっていますか。また、十分な立ち入り調査が実施できているのでしょうか、お答えください。 指導監督基準を満たしていない施設については、5年間は基準に関係なく、届け出施設は全て無償化の対象になることから、適正保育の監督など市の役割が重要となりますが、本市は実効的な指導監督の取り組みを、どのように行っていくのでしょうか、お答えください。 条件を問わず無償化の対象にするのは、保育の質が守れないとの全国市長会等からの猛反発を受けて、市町村の判断で、特に必要であると認める場合に条例を定め、対象範囲を定めることができる旨、附則条文に盛り込まれました。市として、保育の質を確保するために、経過措置の適用除外について、条例で定める考えについてお聞かせください。 次に、今後における民営化推進の可能性についてです。 無償化の費用について、今年度は公立・私立とも全額国費で負担されますが、来年度以降、私立が国2分の1、市2分の1の負担に対し、公立は全て自治体負担となるため、2年目から公立の負担がふえます。 そこでお尋ねしますが、負担額の見込みはどうなるのでしょうか、お答えください。 これにより、民営化推進の可能性もあることから、今こそ、公設公営の保育所の役割を議論する必要があります。和光市は、公設保育所のあり方検討会において、公設公営の保育所の役割をきちんと議論する中で、保育所と保育士の役割についても確認しています。そして、全国でも名高い、わこう版ネウボラの一環として定義しています。 そこでお尋ねしますが、市として、公設公営の保育所の役割を議論する必要性について、どのようにお考えなのか、お聞かせください。 次に、保育士を取り巻く問題についてです。 幼保無償化により、サービス需要はさらに拡大するのではないでしょうか。質のよい保育を実践する施策は無償化ではなく、無償化はかえって保育の質の低下を招きかねない、子供の安全や保育環境を守るには、保育士の処遇を守ることが必要不可欠だという指摘もあります。ただでさえ深刻な保育士不足の現状を、どのように改善していくのでしょうか。また、本市独自の保育士処遇改善を検討する考えについてお答えください。 最後に、報告第30号債権放棄についてです。 2018年度の債権放棄は1,233件、3,179万8,888円で、前年度比約800件、200万円の増となっており、そのふえたものが、高松市みんなの病院及び香川診療所の診察代です。高松市債権管理条例第15条第1号「私債権について、消滅時効に係る時効時期が経過し、かつ、債務者が時効の援用をすると見込まれるとき」に基づき、債権放棄を行うとされています。2003年度までは、時効になると不納欠損にしていたとのことですが、2004年度からの患者未収金のうち、時効が来て確実に入ってこないものを不納欠損にするということです。 そこでお尋ねしますが、なぜ、2004年度からこの間、債権放棄を行ってこなかったのでしょうか。 2004年度からの患者未収金のうち、時効時期が過ぎているものは幾らになるでしょうか。また、それらについて、どのように対応していくのか、お答えください。 以上で質疑を終わります。 ○議長(小比賀勝博君) ただいまの34番議員の質疑に対する当局の答弁を求めます。市長 大西秀人君。  〔市長(大西秀人君)登壇〕 ◎市長(大西秀人君) 34番植田議員の質疑にお答え申し上げます。 まず、議案第139号令和元年度高松市一般会計補正予算(第2号)のうち、行政改革推進費1,823万9,000円に関し、本市で実施している自治体ポイント事業は、費用対効果の面からも、このまま続けていく必要性は乏しいと考えるがどうかについてであります。 御質問にございますように、高松市ポイントサービスは、マイナンバーカードの利便性を広く市民の皆様に実感していただき、お手元のポイント等が、地元で消費されることを期待しているところでございますが、自治体ポイント自体の認知度不足や、マイナンバーカードの交付率が十分でないことなどから、現在のところ、所期の効果は得られていないものと存じます。 今後におきましては、今回の実証実験の結果を踏まえ、自治体ポイントの新たな活用方法の導入などを検討した上で、自治体ポイント事業の今後の方向性を決定してまいりたいと存じます。 次に、制度設計が不透明な状況で補正予算を計上するのは、問題ではないのかについてであります。 今議会で計上しております補正予算は、来年度から始まるマイナンバーカードを活用したポイント事業の実施に当たり、国の補助金交付決定を受け、今年度に事業の広報やマイキーIDの設定支援等、利用環境整備するためのものでございます。現在、国からはポイント事業の概要が示されており、準備事務につきましては、来年度、事業を実施する上で必要な事務でございますことから、補正予算を計上するものでございます。 次に、マイナンバーカード普及のために、税金でポイント付与を行うことについて、問題はないのかについてであります。 マイナンバーカードを活用した消費活性化策につきましては、骨太の方針等を踏まえ、来年度、消費税率引き上げに伴う需要平準化策として実施がされるもので、事業の推進により、消費の活性化とマイナンバーカードの取得促進を図っていくことを目的としておりますことから、問題があるとは考えておりません。 次に、マイキープラットフォームを利用する自治体は低調であるが、本市にとってのメリットは何かについてであります。 マイキープラットフォームは、マイナンバーカードを活用し、地域経済応援ポイントのほか、自治体のボランティアポイント等のクラウド化や、公共施設の利用者カードを1枚にまとめるなど、市民の利便性の向上に役立つものと存じており、その利用による本市へのメリットを期待をしておりましたが、高松市ポイントサービスの成果が十分でないことにつきましては、遺憾に存じておるところでございます。 次に、マイナポイントを活用した消費活性化策を行うことで、国が想定している枚数のマイナンバーカードが普及すると考えているのかについてであります。 国におきましては、マイナンバーカードを活用した、さまざまな消費活性化策などを講じることで、来年7月末の時点で3,000万枚から4,000万枚の取得達成が見込めるものとして、交付枚数を想定しているものと存じております。その普及につきまして、期待をしているところでございます。 次に、議案第146号高松市特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業の運営に関する基準を定める条例の一部改正、及び議案第148号高松市子どものための教育・保育給付に係る利用者負担額を定める条例の一部改正のうち、幼児教育・保育の無償化は、何を目指すのかについてであります。 国は、全世代型社会保障制度への転換に向けての第一歩として、昨年末に関係閣僚会合で合意された、幼児教育無償化の制度の具体化に向けた方針において、若い世代が理想の子供の数を持たない最大の理由が、子育てや教育にお金がかかり過ぎるからであることを踏まえ、幼児教育の無償化を初めとする負担軽減措置を講じることは、重要な少子化対策の一つであるとしております。 本市といたしましても、このたびの無償化が子育て世帯の負担軽減にとどまらず、若い世代が2人目、3人目の子供を持ちたいと思えるような、より効果の高い施策となることを期待しているところでございます。 次に、無償化の財源は、消費税増税分を充てることについての所見であります。 これまで、本市を初めとする地方自治体において、単独施策として、独自の負担軽減策を講じてきたところでございますが、私といたしましては、無償化を初めとする基本的な少子化対策につきましては、本来、国の責任で担うべき施策と存じておりまして、国が消費税率の8%から10%への引き上げによる増収分の一部を安定的な財源として確保した上で、無償化を実施することにつきましては、一定の評価をいたしているところでございます。 次に、食材料費の取り扱いのうち、副食費を公定価格の中から外し、園任せにするのは給食が委託業務ではなくなり、質の低下を招くことにならないのかについてであります。 幼児教育・保育の無償化に伴い、2号認定子供の副食費の負担方法が変更となりましても、調理に係る人件費や光熱水費・減価償却費などは、施設型給付費に含まれておりますことから、給食の市町村の委託業務としての位置づけは、変わらないものと存じております。 また、国の児童福祉施設の設備及び運営に関する基準におきまして、食事の提供は、入所している児童の健全な発育に必要な栄養量を含まなければならないことや、児童福祉施設は、児童の健康な生活の基本としての、食を営む力の育成に努めなければならないことなどが規定されており、本市では、この国の基準に基づき、毎年、給食の内容についても監査を実施しているものでございます。 このようなことから、無償化後においても、引き続き、給食の質の低下を招かないよう、国の基準に基づき、適切に監査を実施してまいりたいと存じます。 次に、公立保育所と私立保育所の副食費について、同様の取り扱いを行う考えについてであります。 2号認定子供の副食費は、公私立施設とも公定価格において月額4,500円として積算され、私立の施設に対しては、国・県・市が、それぞれの負担割合に応じて負担する施設型給付の一部として、市町村を通じて給付しているものでございます。 一方、公立施設につきましては、運営費が全額一般財源化され、全て市町村の負担とされておりますが、公私立施設とも、税金により負担されていることには変わりはないものと存じます。 また、公定価格で積算されている副食費の月額4,500円につきましては、これまでも不足する場合は、施設型給付費の中で各施設において調整されてきたものと存じておりまして、公立施設も同様でありますことから、無償化以降におきましても、特に、私立の施設に対して差額分を負担することは考えておりません。 次に、無償化により、浮いた財源は子供たちために使うべきであり、まずは、副食費だけでも無償化の対象にする考えについてであります。 国は、幼児教育・保育の無償化において、食材料費につきましては無償化の対象外とすることとし、その上で、保育所等を利用する3歳から5歳児である2号認定子供の副食費を、幼稚園等を利用する1号認定子供にあわせて実費徴収とするとしたものでございます。 本市といたしましては、国の方針に基づき、2号認定子供の副食費につきましては、実費を徴収することとしており、市独自で一律に無償化の対象とすることは、既に実費徴収となっている1号認定子供との公平性の確保や、実施に当たって相当の財源を伴うことになりますことから、考えておりません。 一方で、国基準に基づき、年収360万円未満相当世帯等につきましては、実費徴収を免除するほか、市単独の保育料等多子減免事業によって利用料が無償となっていた世帯につきましては、経過措置として、当該児童の在園期間中の副食費の徴収を免除することとしているものでございます。 いずれにいたしましても、貴重な財源を活用して、待機児童の解消など子ども・子育て支援策の充実に努めてまいりたいと存じます。 次に、認可外保育施設の取り扱いのうち、実効的な指導監督の取り組みを、どのように行っていくのかについてであります。 本市におきましては、年1回実施している指導監査において、本市の指導監督基準を満たさない施設に対し、文書等により改善の指導を行い、期日を定めて改善結果の報告を求めてきたところでございます。 また、改善の指導を行ったにもかかわらず、期日までに改善結果の報告がなされない場合には、児童福祉法第59条、及び本市の要綱において、改善を勧告することや児童の福祉に著しく有害であると認めるときには、業務の停止や認可外保育施設の閉鎖を命じることができると規定されております。 認可外保育施設に入所している児童の安全を確保するためには、適正な保育内容や保育環境が必要であるものと存じておりますことから、今後におきましても、保育の質が担保されるよう、認可外保育施設に対する指導監査を、適切に実施してまいりたいと存じます。 次に、経過措置の適用除外について、条例で定める考えについてであります。 国は、無償化の対象とする認可外保育施設の範囲を、自治体が独自に条例を制定することで決められることといたしております。 本市におきましては、昨年度実施した指導監査において、掲示が義務づけられている利用者への情報が掲示されていないといった軽微な指摘事項は、一部ございましたものの、保育士の配置基準や保育室等の構造設備及び面積といった、著しい運営基準を満たさない認可外保育施設はございませんでした。 このようなことから、本市において待機児童が発生している中で、認可保育施設を利用する子供と認可外保育施設を利用している子供が不公平とならないよう、認可外保育施設の範囲を定める条例は制定をせず、本市に届け出がなされた認可外保育施設を無償化の対象とすることとしたものでございます。 今後におきましても、認可外保育施設に対する指導監査を適切に実施し、基準を満たさない施設に対しては、適宜指導を行うなど、保育の質を担保してまいりたいと存じます。 次に、今後における民営化推進の可能性のうち、2年目からの公立の負担額の見込みについてであります。 来年度以降におきましては、国・県からの財源措置が見込まれるほか、幼児教育の無償化の具体化に向けた方針におきまして、国は無償化に伴う地方負担分について、地方財政計画の歳出に全額計上し、一般財源総額を増額確保した上で、個別団体の地方交付税の算定に当たりましても、地方負担の全額を基準財政需要額に算入するとしているところでございます。 来年度地方交付税措置がどの程度見込まれるのかは、現時点で不明であり、負担額の見込みをお示しすることは困難でございますが、特に公立施設につきましては、運営費が一般財源化されておりますことから、無償化部分に関する地方交付税措置が確実に実施されなければ、本市にとりましては、大きな財政負担となるものと存じております。 このようなことから、本市といたしましては、国が定めた方針どおり、来年度以降も確実に地方交付税措置がなされるよう、国に要望してまいりたいと存じます。 次に、公設公営の保育所の役割を議論する必要性について、どのように考えるのかであります。 公立保育所等におきましては、地域における子育て支援の機能を発揮するとともに、乳幼児期にふさわしい教育・保育の実践や、他の教育・保育施設のモデルとなるよう、公立ならではの中核施設としての役割を果たすことが求められているものと存じております。 このようなことから、本市といたしましては、公立施設としての役割を十分踏まえた上で、さらに、幼稚園と保育所の機能をあわせ持ち、質の高い教育と保育を一体的に提供できる幼保連携型認定こども園への移行を図ることとしておりまして、引き続き、移行に向けた取り組みを進めてまいりたいと存じます。 次に、保育士を取り巻く問題のうち、深刻な保育士不足の現状を、どのように改善するのかについてであります。 本市におきましては、保育士が確保できずに、定員数まで児童を受け入れできない保育所等もある状況であり、保育士の確保は、喫緊の課題と存じております。 このようなことから、平成30年度から、保育士確保に向けた本市独自の取り組みとして、特に、保育士が不足傾向にある私立保育所等に再就職する潜在保育士を対象とした就職支援事業のほか、新卒保育士に対する一時金支給事業などを実施しているところでございます。 今後とも引き続き、私立保育所等に対し、本市事業の積極的な活用を促すことにより、本市における保育士不足の解消につなげてまいりたいと存じます。 次に、本市独自の保育士処遇改善を検討する考えについてであります。 国におきましては、保育士の処遇改善のため、公定価格の算定において、職員の勤続年数や経験年数に応じた加算を設けておりますほか、平成29年度からは、一定の要件を満たす保育士に対し、月額4万円または5,000円の加算を行っているところでございます。 さらに、今年度からは、保育士の確保や他産業との賃金格差のため、1%を加算する処遇改善策が盛り込まれたところでございます。 私といたしましては、保育士の処遇改善につきましては、国が必要な措置を講ずるべきものと存じておりますことから、本市独自の保育士処遇改善を検討する考えはございませんが、今後におきましても、さまざまな機会を捉えて全国市長会等を通じ、保育士のさらなる処遇改善について国へ要望してまいりたいと存じます。 なお、その他の件につきましては、関係局長から答弁いたしますので、よろしくお願いをいたします。 ○議長(小比賀勝博君) 健康福祉局長 上枝直樹君。 ◎健康福祉局長(上枝直樹君) 34番植田議員の質疑にお答え申し上げます。 議案第146号及び議案第148号のうち、食材料費の取り扱いに関し、どのような形で保育料の中に、副食費4,500円が含まれていることを説明してきたのかについてでございますが、これまで、3歳から5歳児で認可保育所等を利用する2号認定子供の入所に当たって、給食の提供とあわせて、主食部分が実費徴収となる旨の説明を行ってきたところでございますが、お尋ねの、保育料の中に副食費として4,500円が含まれており、現在、既に御負担をいただいている旨の説明はしておりませんでした。 幼児教育・保育の無償化に伴い、副食費が実費徴収の対象となることにつきましては、先般、保護者に対する文書や「広報たかまつ」などで周知したところでございますが、引き続き、丁寧な説明を心がけ、理解が得られるよう努めてまいりたいと存じます。 次に、認可外保育施設の取り扱いのうち、認可外保育施設の状況は、どのようになっているのかについてでございますが、本市におきましては、昨年度、指導監査を実施した47施設のうち、本年8月現在において4施設を除き、国の監督基準を満たしております。 監督基準を満たさない4施設におきましても、軽微な利用者への情報提供の項目に限り基準を満たしていなかったもので、保育に従事するものの数や資格、また、保育の内容などの項目については、いずれの施設においても基準を満たしていたところでございます。 次に、十分な立ち入り調査が実施できているのかについてでございますが、本市では、これまで、本市に開設の届け出がなされた認可外保育施設に対し、高松市認可外保育施設指導監督要綱に基づき、毎年1回、指導監査を実施しており、本年度においても、現在、指導監査を実施しているところでございます。 ○議長(小比賀勝博君) 病院局長 山田国司君。 ◎病院局長(山田国司君) 34番植田議員の質疑にお答え申し上げます。 報告第30号債権の放棄についてのうち、なぜ、2004年度からこの間、債権放棄を行ってこなかったのかについてでございますが、公立病院の債権につきましては、地方自治法に基づく公債権として取り扱われ、時効期間の経過後、債権放棄をしていたところでございます。このような中、最高裁判所におきまして、公立病院で行われる診療に関する債権は、私債権での取り扱いとすべきという解釈がなされましたことから、本院におきましても、時効が到達した場合でも、その援用がなされないものは、債権放棄ができないとして取り扱ってきたところでございます。 しかしながら、診療に係る未収金の中には、本人死亡や生活困窮などにより、回収が事実上不可能な債権も多く、病院事業会計を適切に処理する観点から、本市の債権管理条例に基づき、時効の援用が見込まれる債権につきまして、昨年度末、債権放棄を行ったものでございます。 次に、2004年度からの患者未収金のうち、時効期間が過ぎているものは幾らかについてでございますが、昨年度末時点で7,495万3,960円でございます。 また、どのように対応していくのかについてでございますが、患者未収金を個別に精査する中で、回収可能な債権につきましては催告を行うほか、弁護士事務所への債権回収委託を行うなど、その回収に努めながら、死亡や生活困窮などにより、回収が見込めないものにつきましては、今回と同様に債権放棄を行うなど、引き続き、適切な会計処理に努めてまいりたいと存じます。 ○議長(小比賀勝博君) 以上で当局の答弁は終わりました。 再質疑はありますか。 ◆34番(植田真紀君) 議長──34番。 ○議長(小比賀勝博君) 34番 植田真紀君。  〔34番(植田真紀君)登壇〕 ◆34番(植田真紀君) 再質疑させていただきます。 まず、議案第139号補正予算中の行政改革推進費のうち、(2)の制度設計が不透明な状況で補正予算を計上するのは、問題ではないのかという私の質問に対して、来年度必要な事務だからという答弁でした。確かに来年度から、この事務をするのには必要な経費かもしれませんが、制度そのものが変わってきています。9月3日──開会日の前日に制度が変わっています。このような制度そのものが変わったことについて補正予算を計上する。これは、議案そのものに関係していますので、これは、大きな問題だと思います。そもそもの計画は、自治体プレミアムポイント事業をやるという国の方針に基づいた議案でした。それが大きく変わっているということを、まず認識していただき、それを踏まえた答弁をお願いします。 もう一つが、議案第146号及び議案第148号のうち、(6)保育士を取り巻く問題の②です。 私は、これまで、何度も保育士さんの働き方の状況や処遇改善の問題に触れてまいりました。現場の保育士さんの状況を、ぜひ、市長に見ていただきたいということを、私は何度も言ってきました。本当に、賃金が低い苛酷な状況の中で働かれ、子供の命を第一に仕事されている保育士さんに対して、処遇改善策の検討を国任せではいけないと思っています。これまで、国が加算をしてきたから、それでいいんだということをおっしゃっていましたが、それでも全然改善されていない。だから、保育士不足がまだまだ続いている状況にあり、今、まさに喫緊の課題ですし、今後、無償化を実施するに当たって、保育士さんを取り巻く状況が大きく変わってきますので、ぜひ、これは国任せではなく、市独自に検討していただきたいと思います。 以上、2点、よろしくお願いいたします。 ○議長(小比賀勝博君) 答弁につきまして理事者側の調整のため、しばらくお待ちを願います。──ただいまの34番議員の再質疑に対する当局の答弁を求めます。市長 大西秀人君。  〔市長(大西秀人君)登壇〕 ◎市長(大西秀人君) 34番植田議員の再質疑にお答え申し上げます。 議案第139号のうち、行政改革推進費1,823万9,000円に関し、制度設計が不透明な状況で補正予算を計上するのは、問題ではないのかについてであります。 今議会で計上しております補正予算は、来年度から始まるマイナンバーカードを活用したポイント事業の実施に当たり、国の補助金交付決定を受け、今年度に事業の広報やマイキーIDの設定支援等、利用環境整備するためのものであり、その実施内容は、マイナポイントに変わりましても変更はございません。現在、国からはポイントの事業の概要が示されており、準備事務につきましては、来年度、事業を実施する上で必要な事務でございますことから、補正予算を計上するものでございます。 次に、議案第146号及び議案第148号のうち、保育士を取り巻く問題に関し、本市独自の保育士処遇改善を検討する考えについてであります。 私といたしましては、保育士の処遇改善自体につきましては、国が必要な措置を講ずるべきものと存じておりますことから、本市独自の保育士処遇改善策を検討する考えはございませんが、先ほども申しましたように、平成30年度から保育士確保に向けた本市独自の取り組みとして、特に、保育士が不足傾向にある私立保育所等に再就職する潜在保育士を対象とした就職支援事業のほか、新卒保育士に対する一時金支給事業などを実施しているところでございます。 今後とも引き続き、私立保育所等に対し、本市事業の積極的な活用を促すことにより、本市における保育士不足の解消につなげてまいりたいと存じます。 ○議長(小比賀勝博君) 以上で当局の答弁は終わりました。 これで34番議員の質疑は終わりました。 以上で通告による質疑は終わりました。これにて質疑を終結いたします。 以上で本日の日程は終了いたしました。 なお、明9月11日の継続市議会は、午前10時に会議を開きます。 本日は、これにて散会いたします。      午後4時34分 散会  ─────────────────────────────────────────地方自治法第123条第2項による署名者         議      長         議      員         議      員...